テレワークグッズ・ミニレビュー
第92回
使い慣れたキーボードを出先でも使いたい!! 持ち運び用ケースを考察してみた
2024年2月2日 12:18
テクニカルライターという職業は、キーボードに触れる機会がとても多い。生産性向上のためには快適なキーボードが必要だ。
そしてテクニカルライターは出不精でもある程度仕事になるが、発表会や取材先での作業もしばしば起こる。「出先での生産性向上にはどうするか?」が目下の悩みだ。
当然ながらノートPCのキーボードをそのまま使うことが多いが、以前は気分を上げるために打鍵感のよいメカニカルキーのゲーミングキーボードを持ち出すこともあった。最近は一般キーボードでも打鍵感のよい製品が登場しているが、当時はメカニカルキースイッチを使用しているキーボードといえば、はぼゲーミングキーボードだったからだ。
ゲーミングキーボードのもうひとつのメリットとして「キーボードケーブルが取り外し可能(な製品がある)」という点がある。ケーブルが取り外せると収納に便利だ。またケーブル長もシチュエーションに合わせたものが選べるので有利だ。
さらに持ち運ぶ際の破損やキズが付くことを防ぐ「専用のキーボード袋」があるとよい。以前購入したゲーミングキーボードには保護スリーブという名の袋が付属しており、持ち出し用に重宝していた。
ただ、キーボードを持ち出しすという需要があまりないからか、以前は市販のキーボード収納袋という市場が、全くと言ってよいほど存在しなかった。しかし昨今はいくつかそういった製品も登場してきているようだ。今回はリアル取材も増えてきたことで必要性が増しているキーボード収納袋について考察してみたい。
キーボード収納袋はほとんどなかったが、テレワーク需要で製品が登場
持ち出し前提で言うと、USB接続のキーボードの場合、多くの場合ケーブルが脱着式でないというのがハードルになる。巻き付ければよいとする考えもあるが、付け根出っぱりが問題になるのと、巻き付けでさらに厚みが増すというのが問題だ。
以前よりも無線接続の製品が増えているため、Bluetooth、もしくは専用2.4GHz接続の製品を選べばケーブル問題は解消する。
冒頭で購入したキーボードに収納袋が付属していたという話をしたが、収納袋が付属しているのはレアケースだ。ということで基本的にはサードパーティ製品を買うか自作することになる。
以前は国内でキーボード収納袋を見つけることができなかったが、コロナ禍に伴うテレワーク需要の増大からか、ちらほら製品を見かけるようになっている。
大手製品で言うと、サンワサプライが「キーボード用クッションケース IN-C8」を販売している。「テレワークでのフルキーボードの持ち運びに便利なキーボード用クッションケース」と書かれており、テレワークが本格化したコロナ禍以降の製品だ(2020年に販売開始したようだ)。
ほかにはARCHISS(アーキス)がKeyboard Sleeveとして3種類の大きさで展開している。
一方、常時持ち出すためのキーボードの場合、フルキーボードを持ち出す機会はあまりないだろう。事務作業で数値入力が多い人ならば、テンキーを別途購入したほうがよいと思うので、持ち出すことを考えた場合、ノートPCの横幅とも合致するテンキーレスや、さらに小型の65%や60%キーボードのほうが親和性が高そうだ。
以前はキーボード用ケースがなかったので自作していた。作ると言っても、キーボードの横幅がおさまるクッションケースを買ってきて、余った奥行きを詰めるだけだ。必要な寸法で裁断したら、見栄えを良くするために裏返してからミシンで縫って、縫い目が目立たないようにしている。ミシンのある家庭ならば作れるだろう。
先に紹介したサンワサプライの製品はおおむね5~6mm程度の厚みのものだ。以前作ったのはもっと分厚いケースだったと思って調べたところ、セキセイの「超厚クッションケース ブラック AZ-1375」だった。
カメラ系の用品を多く手がけるエツミも、10mm厚のウレタンを使ったPCケース「PCクッションポーチ 13.3型 VE-2397」を販売している。
10mm厚のケースは2つ持っているが、かなりがっしりとしていて、PCバッグではなく、トートバッグにポンと入れるような使い方でも持ち運び中にダメージが生じる可能性が少なく、安心して持ち出せる。ただし、今回紹介したセキセイ、エツミ共にコンパクトキーボードを入れる程度の大きさしかない点には注意したい。
逆にサンワサプライ程度の薄さならば、わざわざミシンで裁縫するまでもなく、余った部分を折りたたんでゴムバンドで押さえてもよいだろう。
先日新たにエレコムのキーボード「V custom VK300」を購入したのだが、これにはサンワサプライのノートPC向けのインナーバッグ「マルチクッションケース IN-C5」がちょうどよかった。幅と高さはほぼピッタリで、奥行きは倍ぐらいあるが、クッション自体の厚みが薄いので折り曲げればよい、というわけだ。手元にあったゴムひもでとめてみたが、そこそこ使える感じだ。
サンワサプライのクッションケースは、ほかにもサイズラインアップが豊富で、幅だけ合致すれば持ち運びには苦労しない。筆者が所有する小型キーボードは60%タイプが多いが、同シリーズの「マルチクッションケース IN-C6」(参考収納寸法:390×40×270mm)や「マルチクッションケース IN-C7」(参考収納寸法:480×20×355mm)であれば、テンキーレスも収納できそうだ。
また、Amazonで「キーボードケース」で検索すると、ロジクールとAppleのキーボード用の製品がいくつかヒットするようになっている。これらを使うのもよいだろう。
マウスは、ケースの選択肢がかなり多い
キーボードは持ち歩かないまでも、マウスは持ち歩くという人は、それなりにいると思う。
マウスの場合はキーボードと比べればシンプルな造りで引っかかりも少ないデザインなので、袋に入れなくてもまあ何とかなると思うし、100円ショップの袋で十分だろう。ミニマウスならば100円ショップのセミハードケースも使える。一方で、たくさんボタンが付いたようなマウスに関しては、専用のケースがサードパーティから発売されていることもある。
現在の筆者は、マウスではなくトラックボールで作業している。ノートPCのタッチパッドは誤ってクリックされるケースが多く、不安定さを感じていて、外部ポインティングデバイスが必須と感じている。また、マウスを動かすスペースがなくてもトラックボールなら問題ない。
普段愛用しているのがロジクールのMX ERGO。発表会で頂いたものが2年経って壊れかけて、2台目を購入したが、こちらもかなり年季が入っている。
トラックボールを持ち運ぶと、ふとした拍子にボールが落ちるという問題がある上、特異な形状ゆえにサードパーティケースの市場があり、Amazon等でもケースが販売されていることが多い。
マウスについても、ロジクール製品は流通量が多いこともあるのだろうが、特殊な形状の「MX MASTER 3S」や「MX Vertical」向けの専用ケースをAmazonなどで見つけることができる。
ただ一般的なマウスであれば、汎用のポーチなどでも十分活用できる。筆者の場合、マウスの使用頻度は少ないものの、なにかの時にすぐ利用できるようにと、いくつかは100円ショップで購入したポーチに入れている。今回、手持ちの標準型マウスで大きめなロジクールのMX Anywhere 3をセミハードのポーチに入れてみたが、いい感じで収まった。
キーボードまで持ち出す人は少ないとは思うが、仕事場でも使い慣れたマウスを持ち込んでいる人はそれなりにいるだろう。テレワークや出張先にマイペリフェラルを持ち込むことでいつも通りの作業効率が保たれるだろう。
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