テレワークグッズ・ミニレビュー

第113回

前から狙ってたAnkerの充電器にもなるモバイルバッテリーがAmazonブラックフライデーで5000円OFFになっていたので即ポチした件、これはいいものだ!

ノートPCも充電できるモバイルバッテリー、充電器兼用でこのサイズ、この軽さがいい!!

 今日(11月29日)から「Amazon ブラックフライデー」が始まっているが、そのブラックフライデーの先行セールで以前から欲しかったAnkerのモバイルバッテリーを買ってしまった。手元に届いたばかりだが、今までずっとセールにならなかった製品だけに、急ぎこのセール期間中に記事にしたい。

 買ったのは「Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)」だ。モバイルバッテリーながら、コンセントプラグもあって、USB充電器としても使うことができるもの。これが筆者的なニーズにど真ん中すぎて、今年の夏に発表されたときから「これは欲しい!」と思っていた製品だ。

 にもかかわらずこれまで買わなかったのは価格がネックだったからだ。容量9600mAhと、今どきのモバイルバッテリーとしては小さい部類でありながら1万4990円というのは、なかなかの強気な価格設定だ。ならばセールのときにと狙っていたが、Ankerでいろいろなセールをやっても、筆者が調べた限りこの製品がセールになることはなかった。

 それが今回ついにセールになったのだ。しかも一気に5000円OFFで1万円を切ってきたもんだから、先行セール初日に即ポチしてしまった。

通常1万4900円だったものが一気に5000円OFFで9980円になった!

 ということで、今回は届いたばかりであまり触っていない状態でのレビューとなることはご了承いただきたい。

軽くてPCが充電できるモバイルバッテリーが欲しいっっ!!

 まず筆者的に「Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)」が欲しかった理由だが、大きく2つある。まず、PCを充電できる出力、そして普段から持ち歩く気になる軽さだ。

 以前に紹介したが、筆者はすでにAnkerの19200mAhで65W出力可能なモバイルバッテリーを持っている。これはこれで非常に便利だし、今も活躍している。が、実際に使ってみて思ったのは、あくまで筆者の場合だが、「19200mAhという容量を使い切ることはほとんどない」ということだ。

以前買った19200mAhのモバイルバッテリー。サイズ感としては長財布ぐらいで、当然ながらモバイルバッテリーの他にUSB PD充電器とUSBケーブルが同時の持ち運び用電源セットだった

 出先のコンセントのない状況で作業が続くと、PCの内蔵バッテリーの残量が気になってくるので、このモバイルバッテリーを繋いで作業を続けるわけだが、そこで19200mAhが空になるまで仕事を続ける状況になるかと言えば、なかなかそうはならない。というのも、出先で対応しなければならない仕事は、ほとんどの場合が急ぎの作業、なので、そこまで時間を掛けられないことが多い。むしろモバイルバッテリーを出す必要もないぐらいで終わることがほとんどだ。あとは会社に行くなり自宅に帰るなり、電源のある場所に移動して作業できる。

 となると19200mAhのモバイルバッテリーは重く感じてしまう。その重さ約422g。数字だけ見れば500mlのペットボトル飲料1本分にも満たないが、ノートPCにモバイルモニター、トラックボール、USB PD充電器、場合によってはカメラなども持つと、それだけでも結構重い。そこにさらにモバイルバッテリーとなると、「今日は使わないだろう」と家に置いていくことが多くなる。

モバイルモニターやらトラックボールやらカメラやらと持ち歩くと、カバンが重くてついモバイルバッテリーをモバイルしなくなる

 が、そんなときに限って、あ、PCのバッテリーが……とか、スマホのバッテリーが……となったりするわけだ。

 というわけで、容量が半分でいいから軽いモバイルバッテリーを以前から探していた。

 しかし、これがなかなか見つからなかった。10000mAh程度の容量のモバイルバッテリーとなると、出力が30W程度のものがほとんどで、PCを充電できるようなものがなかった。厳密に言えばなくもなかったが、バッテリーは最後の処分方法が担保されているメーカーの製品を選びたいと思うと、選択肢はなかった。

 そんな中登場したのが、この「Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)」だったわけだ。最大出力は単ポート使用時で65W、2ポート使用時でも45W+20Wの出力になるので、PCとスマホを同時に充電するような使い方でも問題ない。

今年の夏に登場したばかりのAnker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)

 重さは308g。容量からすればもう少し軽くなって欲しい気もするが、この製品のもうひとつの特長が、本体にコンセントプラグを持っていて、USB PD充電器としても使えるということ。つまり今までは別に持って歩いていたPD充電器が不要になるわけだ。

 最近筆者が主に持ち歩いているPD充電器は100Wタイプになるが実測176g。その充電器が不要になれば重量の増加は実質132gにしかならない。それぐらいであれば、普段からカバンに入れっぱなしでも許容できる範囲だと思う。いいじゃないか!!

モバイルバッテリーだがPD充電器としての機能も持つ
写真は最近よく持ち歩いているAnkerの100WタイプのPD充電器。これだと重さが176gあるので、相対的には132gしか変わらない

わずか数年で大きく進化したモバイルバッテリーに驚愕

本体サイズは約44×42×115mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約308g。製品には、収納用のポーチとUSBケーブルも付属していた

 ということで届いた製品を見てみよう。

 特徴的なのはその形だろう。モバイルバッテリーというと平たい角切りのお餅みたいな形のものが多いが、これは長方形の積み木みたいというか、要は薄くない。カバンへの入れやすさ的に言えば幅が広くても薄い方がよかったんじゃないかという気もするが、PD充電器が不要になるので、そのスペースを使えば、収納に困ることは無さそうだ。

以前のモバイルバッテリー+充電器との比較。形が違うので収納のしやすさは一概に比較できないが、省スペース化にはなる

 筆者の場合、以前紹介したとおり、仕事道具は一式コクヨのハコビズに入れているが、多少きゅうくつではあるものの十分収まった。以前のモバイルバッテリーを入れていたときよりはぜんぜん余裕がある。

バッグインバッグのハコビズに入れた状態。右の写真は以前のモバイルバッテリーやPD充電器を入れていたときのもの

 それと持ってみるとイメージより重く感じる。見た目のサイズ感や質感から想像する重さよりもずっしりと重く中身が詰まっている感じだ。ストラップが付いているのも面白い。

手に持ってみる。サイズの割りにずっしりと重みがある

 コンセントは細長い本体に対して90°にプラグの刃が出る形になる。壁コンセントに繋ぐときには良い形だと思うが、フリーアドレスなどでデスク上にコンセントがある場合だと、ちょっと邪魔になるかもしれない。かつてのガラケーの充電器のようにプラグを180°開くタイプにしてくれれば、コンセントのある場所に応じてスマートに設置できると思うのだが。

コンセントプラグの刃は本体に対して90°に開くタイプ。壁コンセントで使うのには便利だが、デスク上のコンセントや電源タップだと使いにくいこともあるかもしれない
収納式のプラグの刃は90°スイングタイプ。右のような180°スイングタイプであればもっとよかったと思うが
本体側面にUSBポートがある。足元の壁コンセントに挿す場合はこの形は良いと思う

 出力の状況やバッテリー残量がグラフィカルに確認できるのは面白い。以前買ったモバイルバッテリーでは4つのLEDで大まかな残量が分かるだけだったので、たった数年だがものすごく進化を感じる。

 また、特に面白いのが実際の出力が見える点だ。これはPD接続が何Wでつながっているかではなく、実際に出力している電力が見えるもの。どの機器がどれくらいの電気を消費しているのかが分かれば、いろいろと予定も立てやすくなるはずだ。

 バッテリーを充電しているときは、残りの充電時間などが見られる。加えて、画面を切り替えるとバッテリーの状態も確認することも可能だ。現在のバッテリーの健康状態や充電サイクル、現在のバッテリー温度が分かる。充電池は捨て時が分からないが、どれぐらい使ってどれぐらい劣化しているのかが見えるのは結構便利だと思う。

カラーディスプレイ。バッテリー残量と、各ポートが何Wで接続しているのかが見える
バッテリーの状態も見られる。長く使って劣化してきた時の買い換えの目安にもなりそうだ
コンセントで充電している状態、残り26.9%の状態から1時間9分で満充電になるらしい

 本体のバッテリーを充電しながらスマホなどを充電するパススルー充電にも対応する。出力が30Wを超えている場合は充電されないらしいが、PCを繋いでいても、実際に30W以上出力するのは希なので、普段からPD充電器としても使っていれば、バッテリー残量を気にすることはほぼなさそうだ。

出力が30W以下の状態では、給電しつつ同時に本体バッテリーも充電できる

【記事追記 2024年11月29日 17時27分】
 パススルー充電についてメーカーに問い合わせていた件で、追加の情報をいただけたので追記したい。

 パススルー充電というと、コンセントからの電気は常にバッテリーに入り、給電は常にバッテリーから出力という製品もある。この場合、パススルー充電時は常にバッテリーを充放電し続けるので、その分バッテリーのライフを縮めることになる。しかしこのAnker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)の場合、コンセントからバッテリーを介さずにUSB出力になるとのことで、無駄にバッテリーを傷めることはないそうだ。電気の流れとしてはコンセント→USB出力→余った電力でバッテリーを充電、という流れになるらしい。スゴいじゃないか!!


 では実際にPCなどを充電してみる。

 Anker製品なので心配もしていなかったが、PCのみの1ポート接続では65W、さらにiPhoneを繋いで2ポート出力にした場合は、PCとの接続が45Wとなった。

 また、充電器とモバイルバッテリーが一体となった製品の場合、コンセントに繋いだ時と純粋にモバイルバッテリーとして使ったときとで最大出力が変わる製品もある(関連記事参照)が、この製品については、コンセントに挿していても挿していなくても最大出力は変わらない。PCを充電できるモバイルバッテリーとして、問題なく使うことができる。

ThinkPad T14を充電してみた。コンセントに繋がずモバイルバッテリーとして使った状態でも単ポート接続時は65Wでの接続が確立されている
当然だがコンセントに繋いでも65Wで出力できる
2ポート利用時はPC側が45Wになる、これもコンセントに繋いでいても同じだ

 それとストラップが付いているのも結構便利だ。帰りの電車の中でiPhoneのバッテリーが足りなくなるようなシチュエーションの時、ストラップで手に引っかけておきつつ、短めのケーブルでiPhoneを繋ぐと片手で持つことができる。片手でつり革につかまって、といった状態でもこれなら充電しながらスマホを使うことができる。

ストラップのおかげで片手でスマホとモバイルバッテリーを持つことができる

 最近は各社からPCも充電できるモバイルバッテリーが多く登場している。ただ、そのほとんどは20000mAh以上の製品だ。モバイルバッテリーの重さは、中に入っているリチウムイオン電池の重さに大きく左右される。なので、容量が同じであれば、どこのメーカーでも大体重さは同じぐらいになる。つまり容量を求めれば重くなるし、軽さを求めれば容量は小さくなる。重さと容量の最適解がどこになるかは人それぞれだと思うが、モバイルバッテリーを保険と割り切れるなら、この「Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)」は結構オススメできると思うし、セールになっている今は買い時だろう。

9600mAhという容量は十分過ぎるとは言えないが、それでも充電器とモバイルバッテリーが1つになって308gで済むというのは価値があると思う

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