SNSのミニメール、運営事業者が内容を監視できる条件を整理
総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」は9日、第二次提言案を公表した。今回は「CGMサービス」などのテーマについて検討し、利用者が安心してサービスを利用できる環境を整備するための取り組みの方向性を提言している。5月10日までパブリックコメントを募集する。
CGMサービスについては、SNSなどのコミュニティサイトの利用に起因する青少年の被害を防止するための対策が必要とされているものの、法的な解釈が不明確となっているために事業者が対策をためらっている面もあるという。
例えば、SNSの会員同士でメッセージを交換できる、いわゆる「ミニメール」の内容を事業者が監視することが、青少年の被害を防止するのに有効とされているが、メッセージ送受信の当事者ではない事業者がその内容を見ることは通信の秘密の侵害にあたる。これについて提言案では、ミニメールの利用者に合意を得ることで、問題なく事業者が内容をチェックできるとしている。
これには、例えばミニメールの送信時にダイアログを表示し、事業者が内容を確認することを提示、これに同意しなければ送信できない仕組みなどが考えられる。
このほか、青少年の会員がSNSの一部のコミュニティ機能などを利用できないよう制限するための年齢認証を確実に行うための課題についても検討した。現在、年齢認証は会員登録時の自己申告に基づく方法か、一部サービスでは、青少年に原則として使用が義務付けられている携帯フィルタリングの有無で判定する方法などが用いられているが、いずれにせよ、オンラインだけではその真正性を判断することは難しい。
そこで提言案では、携帯電話の契約時に利用者の年齢情報をキャリアが取得するなどすることや、その情報をSNS事業者に提供する場合の個人情報保護などとの関係を整理した。
研究会ではこのほか、行動ターゲティング広告などを含む「ライフログ活用サービス」についてプライバシーの観点などから検討・整理している。また、企業における業務データのモバイルPCなどによる持ち出し時の「安全管理措置」についても検討結果をとりまとめている。
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(永沢 茂)
2010/4/9 18:54
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