青少年健全育成条例改正案のポイント、東京都が周知資料を作成


 東京都は、青少年健全育成条例の改正案のポイントを解説する2ページ構成の資料を作成し、16日付で公開した。都のWebサイトからPDFでダウンロードできる。

 改正案では、青少年に見せたり販売したりしないように、成人コーナーでの区分陳列などを業界の自主規制として求める、いわゆる“18禁図書”として、青少年との性交などを不当に賛美・誇張して描いた漫画・アニメなども含めることを盛り込んだ。また、青少年に対する強姦などを賛美・誇張している「著しく」悪質な漫画などが自主規制から漏れ、一般コーナーで販売されている場合は、都が“不健全図書”として指定し、成人コーナーへの移動を義務づけることを解説している。

 改正案については、2~3月に開かれた第1回定例都議会に提出されたが、継続審議となった。東京都によると、その理由として「条例案の趣旨に関する周知が足りない」との指摘を議会で受けたことを踏まえ、都民への周知のために資料を作成・公開したという。

 なお、今回の資料は、漫画やアニメに描かれた「非実在青少年」の規制に関するもので、インターネットや携帯電話フィルタリングの規制については言及していない。突出して多くの質問などが寄せられたことから、まずは漫画やアニメに関する改正のポイントについてまとめた。

 「創作者の表現の自由の侵害に当たらないのか?」「しずかちゃんの入浴シーンが描かれた『ドラえもん』など、著名な漫画が今後は親子で見られなくなるのか?」などのFAQも掲載している。今後も、多く寄せられる質問や批判に関するQ&Aなどを随時掲載していく予定だという。

 なお、インターネットに関する同様の周知資料を公開するかは未定だとしている。


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(永沢 茂)

2010/4/20 20:05