「光の道」再パブコメに意見820件、総務省が個人情報535人分を誤公開


 総務省のウェブサイトで8日に掲載された「光の道」構想についてのパブリックコメント結果発表のファイルに、誤って個人情報が含まれていたことがわかった。総務省が9日、謝罪した。

 このパブリックコメントには合計820件の意見が寄せられ、総務省は8日14時の報道発表で、それらの意見を記載した複数のPDFファイルをサイトで公開した。しかし、閲覧ソフトの一部機能を使うことで535人分の名前が閲覧できる状態だったという。同日19時30分ごろ外部からの問い合わせで発覚した。

 総務省では、「光の道」構想の実現に向けた超高速ブロードバンドの基盤整備や利用率向上のあり方について、7月27日から8月16日までパブリックコメントを実施。そこで寄せられた287件の意見に対して、さらに8月17日から8月31日までパブリックコメントを実施し、再意見を募集した。その結果、773件の再意見と、「光の道」構想に関する47件の意見が寄せられた。

 9月8日の報道発表では、再意見・意見のそれぞれ通しナンバーと提出者名(法人名、個人の場合は「個人」表記)の一覧表を掲載。さらに、意見の内容を掲載した複数のPDFファイルをリンクしていた。9日16時現在、公開されているのは一覧表のみで、PDFファイルのリンクはなくなっている。

 再意見の提出者としては、当然ながら通信・IT関連事業者などの名前もあるが、「個人」が大部分を占める。その中でも多いのは、1回目の意見募集でソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、ソフトバンクモバイル株式会社が連名で提出していた意見(8月17日付の報道発表で「No.269」とナンバリングされているもの)に対しての再意見だ。ソフトバンクグループ代表の孫正義氏がかねてより提唱している、メタル回線を全面的に光回線に移行することで、メタル回線並みの料金で提供できるとする案に対して、賛同の声が目立つようだ。

 もちろん、この考えに疑問を投げかける再意見もある。また、NTTでも、光への強制的な移行は困難とする見解を総務省に示している。


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(永沢 茂)

2010/9/9 17:11