NEC、リモートアクセス機能とスマ―トフォン対応を強化した「AtermWR8600N」
NECとNECアクセステクニカは7月13日、無線LANルータ「AtermWR8600N(HPモデル)」(以下AtermWR8600N)を発表。7月下旬より販売開始する。店頭予想価格は1万円前後。単体販売のほか、既存のイーサネットコンバータとのセットモデルやUSBスティック型の子機とのセットモデルも用意する。
「AtermWR8600N」は、Atermシリーズのフラッグシップモデルとなる「AtermWR8700N」と比較すると、ギガビットイーサ対応を省略。外出先からAtermにUSB接続したUSBカメラやHDDのファイルをスマートフォンからチェックする機能や、無償の簡易DDNS「ホームIPロケーション」機能などを新たに追加。リモートアクセス機能とスマートフォン対応が強化されたモデルとなっている。
「PA-WR8600N-HP」(写真中央)。セットモデルで同梱されるUSBスティック型の子機「PA-WR8600N-HP/U」(左)、同イーサネットコンバータ「PA-WR8600N-HP/E」(右) |
801.11b/g/a/nに対応しており、5GHz帯を用いる理論値最大300Mbpsの11n/11aと、2.4GHz帯を用いる11n/b/gが同時に利用可能。具体的には、11n/aと11n/b/gのアクセスポイントが2つ同時に利用できるため、テレビやBD/DVDレコーダーなどの広帯域を必要とする映像伝送用途には11n/a、パソコンやスマートフォンでのウェブやメール利用など通常のデータ通信は11n/b/gといった形で使い分けることができる。
ひかりTVやアクトビラなどの映像サービスの安定した視聴が可能な「TVモード」を搭載する。イーサネットコンバータとのセットモデルでは、「TVモード」と「無線LAN接続」を設定済みで出荷されるため、親機と子機の設定を行う手間が必要なくなる。
今回新たな機能としては、USBポートにウェブカメラ接続がサポートされ、AtermWR8600Nに直結したUSBカメラに外出先からリモートアクセスして、留守中の部屋の様子を確認することができるようになった。UVC(USB Video Class)1.0a/1.1準拠のウェブカメラに対応する。
また、従来からAtermシリーズに搭載されている、AtermのUSBポートに接続したHDDなどストレージデバイスに外出先のスマートフォンなどからファイルを保存したり、保存したファイルをチェックする機能も搭載されている。
AtermWR8600Nでは、外出先からスマートフォンを使ってのリモートアクセス機能が強化されており、無料の簡易DDNS機能「ホームIPロケーション」が新たに搭載された。製品個別の14文字+.home-ip.aterm.jpのドメインを生成し、外出先などリモート環境から付与されたホームIPロケーション名でAtermWR8600Nへアクセス可能とするもの。なお、簡易DDNSを利用してアクセスするにはインターネット上のDNSが更新される必要があるため、AtermWR8600Nに電源投入してから利用開始まで1時間程度の時間が必要となる。
また、有償のダイナミックDNSサービスも利用可能。NECビッグローブ株式会社が提供する「ダイナミックDNSサービス」に加えて、今回新たにGMOインターネット株式会社が提供する「お名前.com」のダイナミックDNSサービスにも対応。「お名前.com」のさまざまなドメイン名から好みのドメイン名が選択可能となった。
また、従来製品同様に、AtermWR8600Nに有線接続したパソコンの電源をオンにするリモート起動機能(Wake on LAN)も搭載している。
省エネ機能も搭載。無線LANおよび有線LANの通信速度や一部の機能を制限することにより、待機時消費電力を削減する「ECOモード」機能により、待機時消費電力の最大60%削減を実現した。ECOモードのオンオフは装置本体の「ECOボタン」による手動の切り替えとスケジュール設定による自動切り替え、さらに無線LAN通信がないときに自動で節電する「オートECO」など、ユーザーの利用形態に応じた設定が選択できる。
このほか、従来からの無線LANの接続設定がボタンで手軽に行える「らくらく無線スタート」機能も搭載。セキュリティ面では、悪質サイトへのアクセスを制限する、ネットスター株式会社の「悪質サイトブロック ファミリースマイル」にも対応。家庭内のパソコンなど複数台をまとめて1ライセンスでブロック可能。「悪質サイトブロック ファミリースマイル」では、利用者に応じたブロックレベルが設定可能なほか、端末ごとに異なるブロックレベルが設定できる。利用料は1年契約で1980円。60日間の無料体験ができる。
AtermWR8600Nのインターフェイスは、WAN側が100BASE-TX/10BASE-T(Auto MDI/MDI-X対応)ポート×1、LAN側が100BASE-TX/10BASE-T(Auto MDI/MDI-X対応)ポート×4。USBバスパワー対応のUSB2.0ポート×1を装備する。
無線の最大伝送速度は300Mbps。5GHz帯の802.11n/a、2.4GHz帯のIEEE 802.11n/b/gに対応。セキュリティはWEP(152/128/64bit)、WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES)に対応。なお、11nではWPA-PSK(AES0、WPA2-PSK(AES)のみに対応する。
サイズは約35×128×160(横×奥行×高)mm、重量は約0.4kg。Atermシリーズの特徴となっている、アンテナを筐体内部に収納するデザインを採用する。
モデルは単体AtermWR8600N単体の「PA-WR8600N-HP」(店頭予想価格1万円前後)のほか、イーサネットコンバータWL300NE-AGとのセットモデル「PA-WR8600N-HP/E」(1万7000円前後)、USBスティック型の子機WL300NU-AGとのセットモデル「PA-WR8600N-HP/U」の3モデルをラインナップする。
関連情報
(工藤 ひろえ)
2011/7/13 14:17
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