無料地図アプリ「MapFan for iPhone 東北特別版」公開、東北6県+茨城を収録
オフライン地図で被災地復興を支援
インクリメントP株式会社は2日、東北6県と茨城県の地図データを収録したアプリ「MapFan for iPhone 東北特別版」の無償提供を開始した。iOS4以降のiPhone 4/3GSとiPod touch(第3世代以降)に対応しており、App Storeからダウンロードできる。東日本大震災の被災地での復興活動や避難経路の確認に役立ててもらうのが狙い。
同社は今年3月の東日本大震災発生後、通常は2300円で販売している地図アプリ「MapFan for iPhone」を3週間にわたり無償で配布した経緯がある。同アプリは、地図データを端末内にインストールしておくタイプの“オフライン地図アプリ”だ。地図の表示に通信を伴わないため、オンライン地図に比べて端末の消費電力を抑えられるほか、3G回線に接続できない状態でも地図を閲覧したりGPSによる現在地を表示できることから、震災などの非常時にも役立つとされている。インクリメントPでは、MapFan for iPhoneを広く配布することで、震災対応で貢献できると判断したわけだ。
今回の東北特別版は、地図データの収録エリアを限定し、無料アプリとして提供するものだ。配布期間は、2012年3月末まで。
地図の収録エリアが異なる以外は、フルバージョンのMapFan for iPhoneと機能はほぼ同じ。ただし、配布目的などをふまえ、テレビ番組で紹介されたスポットを検索できる機能は搭載していない。
収録している地図データは7月1日時点のものだが、震災で消失した道路や鉄道路線、建造物などはまだ反映されていない。ただし、休止している鉄道路線については、路線名や駅名の注記のそばに「休止中」と記載。また、市役所・役場の仮庁舎については地図に反映されており、その場合は本庁舎のほうに「閉鎖中」と明記している。
なお、MapFan for iPhoneでは、前述のように地図の表示などはオフラインで行えるが、ルート検索などの機能はオンラインサービスとして提供されている。東北特別版では、オンライン機能の利用期限が、無償配布期間と同じ2012年3月末までとなっている。それを過ぎるとオンライン機能が利用できなくなるほか、バージョンアップなどのサポートも行われないが、地図閲覧などのオフライン機能は継続して利用可能だ。
また、一度ルートを検索しておdけば、次回以降はオフラインでもルート案内を利用できる仕組みとなっている。例えば帰宅ルートなどを事前にオンラインで検索して保存しておけば、オフライン時でもそれを呼び出してルート案内することが可能だと説明している。
東北特別版の容量は約350MB(インストール時は、約700MBの空き容量が必要)。地図の収録エリアを絞り込んだ分だけ、フルバージョン(1.49GB)よりも小さい。
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(永沢 茂)
2011/8/2 13:00
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