「Google Chrome 14」ベータ版公開、Native Clientを統合、空間音響APIも


 米Googleは11日、「Google Chrome」のベータチャンネルで新バージョンを公開したと発表した。バージョン番号は「14.0.835.35」で、Windows版、Mac版、Linux版、Chrome Frame版がある。ベータチャンネルユーザーは、アップデートすることで使用できる。

 このバージョンでは多くの新機能が追加された。その中でも特に注目されるのが、初めて統合された「Native Client」だ。これは初期リリース版となっている。

 Native Clientは、ブラウザーの中でCまたはC++のネイティブコードを安全に実行できる仕組みを提供する。これにより、JavaScriptをブラウザーで実行するかのように、ネイティブコードを実行できることになる。これらのアプリはHTML5のインターフェイスとして「Pepper」を使用する。Native Clientにより、ネイティブコードで開発されている既存ライブラリやアプリケーションをウェブアプリケーションとして移植することが容易になる。また、これまででは考えられなかったような種類の高パフォーマンスを必要とするウェブアプリケーションを開発できるようになる。

 別の新機能として、「Web Audio API」が実装された。これは高度な音響機能を提供するJavaScript APIだ。サポートする機能としては、フェードイン/フェードアウトなどのオーディオエフェクト、コンサートホールやトンネルなどの空間シミュレーション、3Dゲームで使用される空間音響といったオーディオ機能を、ウェブアプリケーションから利用できるようになる。これによってさまざまなシミュレーションや、ゲームなどをウェブアプリケーションで開発できる。

 さらに、Mac OS X Lion向けに、フルスクリーンモードへの対応、アニメーション、バックスクロールなどのユーザーインターフェイス機能がサポートされた。また、Windows版で提供されている印刷プレビュー機能が、このMac版でも利用できるようになった。

 そのほかに、Google Chromeの同期機能で全データの暗号化が可能になったほか、暗号化に関する細かな改良が行われている。

 実験的な機能としては、「Web Request extention API」「Content Settings extention API」が追加されている。

 これ以外にも、多数のバグ修正、安定性に関する改良などが含まれていると説明している。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/8/12 11:38