米Adobe、「Photoshop Touch」などタブレット向けアプリ6種を発表

「Creative Cloud」でデスクトップアプリとの連携も


 米Adobe Systemsは3日、タブレット端末向けアプリ6種を発表した。また、タブレット端末とデスクトップアプリケーションを連携できる、ストレージを含めた新イニシアチブ「Adobe Creative Cloud」も発表された。

Adobe Creative Cloudのイメージ

 発表されたアプリは、「Adobe Photoshop Touch」「Adobe Collage」「Adobe Debut」「Adobe Ideas」「Adobe Kuler」「Adobe Proto」。いずれもAndroid端末向けには11月に公開予定で、iOS端末向けには2012年初めごろに公開予定。なお、「Adobe Ideas」だけはすでにiPad向けに公開済み。価格は、各アプリとも9.99ドルからとなっており、この価格には、それぞれのアプリからAdobe Creative Cloudのストレージへアクセスし、ファイル閲覧・共有・転送する機能が含まれている。

 これらのアプリは、次世代タブレット端末がスタイラス対応になることを考慮し、指とスタイラスによる操作双方に対応できるように設計されているとしている。

Adobe Photoshop TouchAdobe Collage

 Adobe Photoshop Touchは、Photoshopの中核となる機能を備えている。指によるジェスチャーで複数の写真をレイヤー画像にまとめたり、基本的な編集やエフェクトも可能。特にタブレット版独自の機能として、指でオブジェクトを切り取る「Scribble Selection」機能があり、複雑な領域も簡単にキャプチャーできるようにAdobeの「Refine Edge」テクノロジーが使用されているという。また、FacebookとGoogleとの連携によって画像検索や共有、コメントの閲覧なども可能となっている。

 Adobe Collageでは、画像、イラスト、テキストを1枚にまとめることによってアイデアやコンセプトをまとめることができる。Adobe Debutは、クリエイターがクライアントに対して、デザインなどのプレゼンテーションを行うためのアプリだ。

 Adobe Ideasは、指やスタイラスで絵を描くためのベクターベースツールだ。Adobe Kulerでは、色テーマを生成できるほか、コミュニティによって公開されている数千の色テーマを利用できる。

 Adobe Protoは、ウェブサイトや携帯アプリのためのワイヤーフレームやプロトタイプをタブレット上で開発できるアプリだ。

Adobe DebutAdobe Ideas

Adobe KulerAdobe Proto

 Adobeは、これら6種のタブレットアプリと、すでに公開されている「Adobe Creative Suite」などのデスクトップアプリケーションなどを連携させるために、新たにAdobe Creative Cloudイニシアチブを発足させた。このサービスを通してタブレットアプリとデスクトップアプリケーション双方から利用できる20GBのオンラインストレージが提供されるだけでなく、タブレット端末向け出版物を提供するためのサービス、クリエイターのためのコミュニティなども提供される。Adobe Creative Cloudの利用料金や詳細なサービス内容については11月に発表される予定だ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/10/4 11:52