「Google仕様のスマートフォンを日本でも」、グーグルがAndroid 4.0説明会

モトヤの日本語フォントを標準搭載、エリアメールにも対応


GALAXY Nexusを手にAndroid 4.0の説明をするジョン・ラーゲリン氏

 グーグル株式会社は25日、Android OSの新バージョン「Android 4.0(開発コード:Ice Cream Sandwich)」に関する説明会を開催し、国内でもNTTドコモから11月に発売されるSamsung製の端末「GALAXY Nexus」を披露した。

 Androidのグローバルパートナーシップを統括するジョン・ラーゲリン氏は、Androidはこれまでに410デバイスに搭載され、123カ国で発売、累計1億9000万件の登録があり、Androidマーケットの登録アプリ数も30万件を超えたという現状を紹介。スマートフォンだけでなく、タブレット端末やテレビのような端末など、Androidは各種のデバイスに搭載され、特に安価なAndroid端末の登場により、これまで金銭的な問題でインターネットにアクセスできなかった人たちも、アクセスできるようになったことも喜ばしい点だとした。

 グーグルでは、新OSの開発に合わせてリファレンスモデルとなる「リードデバイス」をメーカーと共同で開発しており、Android 2.1ではHTCの「Nexus One」、Android 2.3ではSumsungの「Nexus S」がリードデバイスにあたると説明。Android 4.0のリードデバイスは、Sumsungと共同で開発した「GALAXY Nexus」で、日本でもNTTドコモが11月に発売を予定している。

 ラーゲリン氏は、「リードデバイスは、Googleが考えたAndroidの機能をすべて利用できる、リファレンスデザインとなる端末。これまで日本では、リードデバイスにあたるモデルを販売していなかったが、今回のGALAXY Nexusでは初めて、Google仕様のスマートフォンを日本でも販売する」と説明。Android 4.0の概要をデモを交えながら紹介した。

 Android 4.0は、これまでのAndroid 2系統とタブレット向けのAndroid 3系統の2つを統合し、あらゆるデバイスに対応するOSとして開発されている。ホームボタンや「戻る」ボタンなど、物理ボタンを持たないデバイスにも対応し、ホーム画面に置けるウィジェットはサイズを自由に変更できるなど、Android 3に搭載された機能もスマートフォンで利用できるようになった。

 また、ホーム画面ではアイコンを重ねることでフォルダーとして管理できる機能が備わったほか、電源ボタンと音量ボタンの同時押しによるスクリーンショット機能の搭載、これまではまとめて消すことしかできなかった通知を1件ずつ消せるよう機能を搭載。データ通信量を管理できる機能や、カメラアプリの編集機能など、「Android 4.0では細かい点を磨いていった。すべてのチームがひとつになって仕上げたもので、これまでとは違う自信作」と説明。新しい端末にぜひ触れてみてほしいとアピールした。

GALAXY Nexusのホーム画面複数のアイコンをまとめられるフォルダー機能が追加された

 Android 4.0搭載の最初のデバイスとなるGALAXY Nexusは、最も基本的な機能を備えた標準的なモデルとなるため、ワンセグやおサイフケータイなど日本向けの機能は備えていない。一方、Android 4.0の開発では日本向けに「特にフォントにはこだわった」と説明。欧文では新たにデザインしたフォント「Roboto」を搭載しているが、日本語についても新たにモトヤのフォントを標準で搭載。これまでの標準フォントでは、一部の文字が中国語用の文字などから流用されていたが、ようやく標準で日本語の美しいフォントを備えることができたとした。

 また、GALAXY Nexusでは、緊急地震速報などを受信できるNTTドコモの「エリアメール」にも対応しているが、これも日本向けにこだわった点だとして、Android 4.0の標準機能として対応していることを紹介した。

 従来機種のAndroid 4.0対応については、「1つ前のリードデバイスでも動作することを前提に開発しているので、Nexus S相当の端末であればハードウェア的には動作する」と説明。物理ボタンを搭載している機種の場合にはソフトウェアボタンは表示されないなど、あらゆる端末に向けたOSとしてAndroid 4.0は開発されており、タブレット端末など各種デバイスにAndroid 4.0の搭載を進めていきたいと語った。

新たにモトヤのフォントを標準で搭載エリアメールにも標準で対応

関連情報


(三柳 英樹)

2011/10/25 19:12