NEC、ギガビット対応無線LANルータ2機種~TVモード機能搭載ホーム向け機種など


 NECとNECアクセステクニカは1月11日、無線LANルータ2製品4モデルを発表した。いずれも有線LANは1000BASE-Tに対応する。

 NECとしては初めて2.4GHz帯での450Mbps通信に対応した無線LANルータ「AtermWR9300N(HPモデル)」は、2月下旬発売で店頭価格1万2000円前後の見込み。

 「AtermWR8750N(HPモデル)」は、11aと11n/b/gの同時利用が可能な、テレビとの無線LAN接続を意識したホームユース向けの製品で、1月下旬に販売開始する。単体の店頭価格は1万円前後で、USBスティックタイプの子機とのセットモデルが1万3000円前後、イーサネットコンバータとのセットモデルが1万7000円前後となる見込み。

「AtermWR8750N(HPモデル)」(写真中央)と、USBスティックタイプの子機(左)、イーサネットコンバータ「WL300NE-AG」(右)

 また、NECアクセステクニカでは、今回発売の2機種の提供に合わせて1月11日(予定)から、スマートフォンの接続設定を簡単に行うスマートフォンアプリ「AtermらくらくQR」を無償公開。製品に同梱される装置固有の設定情報を埋め込んだQRコードをアプリで読み取るだけでスマートフォンのWiFi接続設定が完了する。これまでiPhoneなどiOS対応機では、パスワードを手動で入力するしかなかったが、その煩わしさが軽減できる。

 2機種とも従来機種と同様に、複数の暗号化方式の混在利用が可能なマルチSSIDに対応。2つのSSIDを仮想的に運用することで、パソコンやスマートフォン、タブレットなどでは暗号化の設定でセキュリティがより強固なAES方式を利用し、AES方式に対応していないゲーム機などではWEP方式で接続するといった運用が可能になる。セカンダリSSIDは不要であれば停止することもできる。

 また、スマートフォンアプリから、AtermにUSB接続したメモリやハードディスクのファイルをチェックしたり、Atermに接続したUSBカメラで留守宅チェックもできる。パソコンがWake On LANに対応していれば、リモート起動機能も利用可能。簡易DDNS機能「ホームIPロケーション」にも対応する。その他、省電力での運用ができるECOモード、らくらくスタートによる設定機能などを装備する。


2.4GHz帯で450Mbps通信に対応する「AtermWR9300N」

「AtermWR9300N(HPモデル)」

 AtermWR9300Nは、NECとしては初めて2.4GHz帯での450Mbps通信に対応。ギガビットイーサネットにも対応する。IEEE 802.11n/b/gに対応。11aおよび5GHz帯には対応しない点がハイエンドのWR9500Nなどと異なる点で、その分コストを抑えて450M通信対応ながら比較的低価格で提供するモデルとなる。

 AtermWR9300Nは、801.11n/b/gに対応しており、802.11nでは最大450Mbpsの通信に対応する。なお、2.4GHz帯で450Mbps通信を利用するには、子機も2.4GHzの450Mbps通信に対応している必要がある。

 なお、11aには対応していないため、後述のTVモード機能は搭載していない。

 有線インターフェイスは1000BASE-TのWAN×1、LAN×4を装備。サイズは35×153×111mm(横×縦×奥行)。設置は縦置き・横置き・壁掛けに対応する。


無線LANで安定した映像を送信するTVモード搭載、家庭向け「AtermWR8750N」

「AtermWR8750N(HPモデル)」

 AtermWR8750Nは5GHzで11n/a対応、2.4GHzで11n/b/gに対応する無線LANルーター。450Mbpsに非対応である点以外は、フラッグシップモデルWR9500Nの機能をすべてカバーしており、店頭予想価格は単体で1万円前後とお買い得なモデルとなっている。

 AtermWR8750Nはホームユース向けにターゲットしており、テレビを無線LANで接続して安定した映像視聴を楽しめる「TVモード」を搭載。TVモード時は5GHzを利用し、子機が拡張クライアントモードとなる。映像伝送は11n/a(5GHz)を利用し、PCやスマートフォンでの利用は11n/g/b(2.4GHz)を利用することで同時利用ができる。

 NECアクセステクニカでは、2.4GHz帯は電子レンジなど家電製品でも多く利用されていることから干渉により転送速度が落ちる可能性もあり、映像視聴には5GHzを利用するよう推奨。実際の映像による違いを自社サイトで公開している(http://121ware.com/product/atermstation/special/tv_mode/03.html)。

 AtermWR8750NはUSBスティックタイプの子機とのセットモデルも用意されているが、子機セットモデルでは、出荷時にTVモードで設定済みとなっている。また、子機増設時には「らくらく無線スタート」を実行することで自動的にTVモードに設定できる。

 有線インターフェイスは1000BASE-TのWAN×1、LAN×4を装備。サイズは35×152×111mm(横×縦×奥行)。設置は縦置き・横置き・壁掛けに対応する。



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(工藤 ひろえ)

2012/1/11 11:15