Mozilla、Firefoxの「サイレントアップデート」を今後数バージョン以内に導入


 Mozillaは3日、ウェブブラウザー「Firefox」のアップデートをユーザーが意識することなく行えるようにする「サイレントアップデート」の仕組みを、今後数バージョン以内に導入する方針を発表した。

 現在のFirefoxでは、更新が確認された際に自動的に更新プログラムがダウンロードされ、Firefoxが再起動されたタイミングで最新版がインストールされる。このため、アップデート時にはインストールのために再起動に時間がかかる。

 新しいFirefoxでは、インストール方法を見直すことで、起動中に更新プログラムをインストールできるようにする。更新プログラムはダウンロードが終わった直後にインストールされ、次回の再起動時にすぐに新バージョンが利用できる。Mozillaでは、このサイレントアップデートの仕組みを、今後数バージョン以内に投入する予定だとしている。

 また、Windows 7/VistaではFirefoxを更新する際にユーザーアカウント制御(UAC)ダイアログによる確認が行われる。これは、Firefoxが「Program Files」ディレクトリにあることと、更新時にレジストリの変更が行われるために表示されるものだが、Mozillaでは更新のたびにダイアログが表示されないようにするための仕組みを、まもなくAurora(プレベータ版Firefox)に導入すると説明。更新サービスがバックグラウンドプロセスとして実行され、更新が見つかるとインストールを行うもので、一度その更新サービスに許可を与えれば、それ以降は更新時にUACダイアログは表示されなくなるという。

 このほか、Firefoxのアップデートに関して、これまで行なってきた取り組みについても説明。これまでは、更新プログラムのダウンロードが完了してから12時間以内に再起動が行われなかった場合に、ダイアログを表示して再起動を促してきたが、Firefoxユーザーの99%以上は通知が表示されなくても24時間以内に再起動を行なっていることが調査で判明したため、2011年11月からはダイアログが通知されるまでの時間を24時間に変更したという。

 また、Firefox 10からは、旧バージョンに対応していたアドオンは基本的に新バージョンにも対応しているものとみなすように変更。Firefoxの更新が完了した際に表示していた「更新完了ページ」も、Firefox 8からは基本的に表示せず、通知したい新機能やMozillaに関する最新情報がある場合のみ表示するように変更した。こうした変更により、Firefoxのサイレントアップデートを実現し、ユーザーが最新版を常に使い続けられるようにしていくとしている。


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(三柳 英樹)

2012/2/7 15:03