デジアナ融合ハイブリッド郵便事業のデジタルポスト、法人向けDMサービス


 デジタルポスト株式会社は、法人向けの“ハイブリッド郵便”サービス「DM郵便(LiveCard DM)」を開始した。PCのウェブブラウザー上でダイレクトメール(DM)やビジネスレターをデザインし、送付先を入力することで、印刷・郵送代行作業までを発注できる。

 数十通~数百通の小ロットでDMを送付する小規模事業者や個人商店などが主なターゲット。飲食店や美容院、医院など二十数種類の業種で約150種類のテンプレートが用意されており、本文テキストや住所などを入力することでDMをデザインできる。価格は、印刷費や郵送費込みで、はがきが1通120円、封書入りカードが1通250円。注文は1枚から受け付ける。

 送付先の住所は、CSVファイルでアップロード可能。LiveCard DMのサイト上から1件ずつ入力することも可能だ。LiveCard DMは会員登録しなくても使えるが、会員登録することで、発送先の管理や、一度使用したデザインの再利用などが可能になるほか、作成したデザインのDMを1通だけ自分宛に印刷・送付してもらい、実際の完成状態を確認できるお試し機能が利用できる。

LiveCard DMのテンプレート例

 デジタルポストは昨年12月、コンシューマー向けサービスとして「LiveCard」を開始。PC向けサービスのほか、旅先などスマートフォンで撮影した写真を使って絵はがきをデザインし、印刷・郵送まで注文できるiPhone/Androidアプリも提供している。今回、これに法人向けサービスを加えたかたちだ。

 さらに今後、コンシューマー向けサービスとしてプレゼントも贈れる「LiveCard GIFT」、法人受けシステムとして「ペーパーレス電子郵便」を計画している。

 LiveCard GIFTはすでにシステムを構築中で、例えば母の日や父の日など、ギフトにふさわしい何らかのイベントの時期に合わせて今年中に開始予定。

 一方のペーパーレス電子郵便は、クラウド上の私書箱のようなイメージ。カード会社や銀行が明細をペーパーレス郵便で送付すると、顧客ごとのクラウド私書箱に配達され、セキュアに保管されるという。2012年度中の提供開始を目指す。

(向かって右から)佐藤健太郎取締役、緒方健介代表取締役、宇田好文取締役会長、片山圭一朗代表取締役、木戸康行取締役

 デジタルポストの宇田好文取締役会長は3月6日に行った記者説明会で、「世の中はデジタル万能時代。デジタル化によって大量の情報を非常に高速にいろいろな機器とやりとりできるようになった。これはすばらしいことだが、その一方で人間はどこかでアナログなものを欲しがっている。LiveCardのサービスは、デジタルのよさとアナログのよさを結び付けたもの。デジタルで作られた画像やメッセージを(アナログの)手紙やカードでお届けする。届いたものは何回も読み返すことができ、非常に心に響く。部屋にも飾っておける。このようにアナログの使い方もできる」とコメント。デジタルとアナログが融合したハイブリッド郵便の市場の可能性をアピールした。


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(永沢 茂)

2012/3/7 06:00