ドコモ、「GALAXY Note SC-05D」発表


 NTTドコモは、5.3インチのHD SUPER AMOLEDディスプレイを搭載し、タッチペン入力やXiなどをサポートしたAndroidスマートフォン「GALAXY Note SC-05D」を発表した。発売は4月6日で、3月29日よりドコモショップで事前予約を受け付ける。これに伴いサムスン電子は28日、都内で発表会を開催した。

主な仕様

 「GALAXY Note SC-05D」は、5.3インチ、800×1280ドット、1677万色表示のHD SUPER AMOLEDディスプレイを搭載したAndroidスマートフォン。Android 2.3を搭載し、Android 4.0へのバージョンアップも想定されている。microSIMカード採用モデルとなる。

 1.5GHzのデュアルコアCPU(APQ8060)を搭載、内蔵ストレージは16GBで、背面カバーを外したところに最大32GBのmicroSDHCカードが挿入できる。背面には約810万画素CMOSカメラを搭載し、フルHD動画撮影にも対応する。ディスプレイ側のは約196万画素のCMOSとなる。

 通信はドコモのLTEサービス「Xi」に対応し、Xi圏外のエリアでは下り最大14Mbps、上り最大5.7MbpsのFOMAハイスピードに対応する。Wi-Fiテザリング機能なども利用でき、最大8台のWi-Fi機器で通信できる。Bluetooth 3.0に対応する。

 モバキャスには非対応だが、ワンセグをサポートしており、端末には収納式のアンテナが内蔵される。赤外線通信機能やおサイフケータイ、おくだけ充電、防水/防塵機能などには非対応。

 大きさは約147×83×9.7mmで、重さは約184g。ボディカラーはCeramic White。バッテリー容量は2500mAhとなり、待受時間はLTEで約310時間、3Gで約350時間。通話時間は3Gで約430分。

 端末パッケージには、通常カバーのほかに、ディスプレイ側も保護できるノート状の専用カバーも同梱される。サードパーティ製のカバーも販売される予定。

ペン入力

 「GALAXY Note SC-05D」は、5.3インチ大型ディスプレイだけが特徴ではない。端末には、「S pen」(エスペン)と呼ばれるスタイラス型のペンが用意されており、ペンによるタッチ入力が可能で、ペンは端末内部に収納できる。ディスプレイは静電容量タイプだが、128段階に筆圧を感知して、従来のスタイラスよりも表現力のあるペン入力を実現している。説明員によれば、ペン入力の技術はペンタブレットで知られるワコムの技術を採用したものという。指でのタッチ入力、ペンによるタッチ入力ともに、対応する全てのアプリや機能で利用できる。

 また、日本語手書き入力には7notes with mezecを採用する。漢字、ひらがな、カタカナの混在した手書き入力に対応しており、試用してみた限りにおいて、多少いい加減に文字を書いてもしっかりと文字を認識する印象だ。

 手書き入力のほか、通常のAndroid端末同様にソフトウェアキーボードによる入力にも対応する。大型ディスプレイを搭載する一方で日本の片手入力文化への配慮として、テンキーが左右のどちらかに寄せて利用できる。電車でつり革に捕まりながら、もう一方の手で文字入力するといったシチュエーションを想定したものだ。

 なお、「S pen」には、ボタンが搭載されており、このボタンを組み合わせた操作で、利用の幅が広がる。ペンに搭載されたボタンを押したまま2回画面をタッチすると、手書きでメモがとれる。Webサイトをチェックして、気がついたことを手書きメモして、またすぐ同じ画面に戻ってサイトをチェックするといった利用が可能。ペンによるジェスチャー入力にも対応し、前の画面に戻る、メニューを開く、画面の一部を切り取り保存するといった操作が行える。

 ボタンを押しながら画面を長くタッチすると画面キャプチャーも撮れる。地図をキャプチャーして道順を手書きで記したり、切り抜きたい部分をペンでなぞって、切り貼りしてビジネス文書や手書きメールなどの作成にも利用できる。

「GALAXY Note」はアナログとデジタルの融合

趙洪植氏

 28日、サムスン電子主催による「GALAXY Note SC-05D」の発表会が開催された。サムスン電子ジャパンの趙洪植(チョウ ホンシク)氏は、2011年9月にドイツの展示会「IFA」で発表以降、欧州や韓国、東南アジア、米国と次々に発売エリアを拡大し、3月末には世界で500万台を達成する見込みと発表した。

 グローバル企業であるサムスン電子の中で、日本はワールドツアーのラストを飾る舞台となる。趙氏は、5.3インチの大画面ディスプレイ、ペン入力というアナログな入力方法、Xi対応など、「GALAXY Note SC-05D」が人々の生活を遙かにゆたかなものにするとアピールし、「世界のスマートフォン市場の中で日本は重要。GALAXY Noteを日本で披露できるのは本当にうれしい。サムスンは今後も優れた製品と革新的な技術で満足させる」などと話した。


丸山誠治氏石井圭介氏

 NTTドコモのプロダクト部長である丸山誠治氏は、スマートフォンの累計出荷数が1100万台を超えたとし、その中でドコモのGALAXYシリーズは、シリーズ累計で250万台を突破しているという。丸山氏は「GALAXYといえばドコモ」などと述べた。

 丸山氏は、スペックで選ぶスマートフォンから使い方で選ぶ時代とし、「GALAXY Note SC-05D」がユニークな商品だと話していた。

 プレゼンテーションは、サムスン電子ジャパンの専務である石井圭介氏が担当した。「GALAXY Note SC-05D」の魅力を伝える中で石井氏は、「この会場にペンを持たずにやってきた人はいるか?」などと問いかけ、多くの人はノートとペンを持っていると語った。同氏は、パソコンやタブレット端末がどれだけ普及しても、ペンのようなアナログの入力デバイスを持ち歩いており、Sペンを導入するサムスン電子の必然性を強調したほか、「アナログとデジタルの融合」という言葉を使って、スマートフォンともタブレットとも異なる「GALAXY Note SC-05D」の魅力をアピールした。

 また発表会には、「GALAXY Note SC-05D」のペン入力をアピールするために、成人向けマンガや「精霊の守り人」などのアニメのキャラクターデザインで知られる麻生我等が登場。その場でイラストを描くパフォーマンスなども実施された。

 このほか、「S pen」が便利に使えるアプリを拡充するとして、開発者向けにSDKを公開する方針なども示された。


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(津田 啓夢)

2012/3/28 16:59