米Microsoftが新Bingを発表~6月までに米国で一般公開


 米Microsoftは10日、同社サーチエンジンBingのメジャーアップデートを発表した。アルゴリズムの改良や、ページを開かずに必要な情報が表示される「Snapshot」、ソーシャル機能を組み込んだサイドバーの3つの重要な改良が含まれている。一般ユーザーは、米国内で6月から使用できるようになる。モバイル版も数週間で公開予定だ。

 新しいBingでは、検索結果表示ページのデザインを改良した。左側のパネルが消え、最近の検索履歴はページ上部に、関連検索は検索結果の次に表示されるようになった。

 Microsoftでは、調査の結果から人々が「物事を調べるよりも、するべきことを達成するための手段としてサーチエンジンを利用したいと思っている」と説明。この観点からの新機能として、「Snapshot」を導入した。これは、検索結果ページをいくつも開かなくても、その場でさらに深い情報が入手できるようになる仕組みで、検索結果の隣に表示される。

 例えば、ホテルを検索した場合、検索結果の中にはホテルのレーティング、場所などの情報は表示されているが、Snapshotはさらに一歩進めて、ホテルの内観写真やユーザーレビュー、空室情報などを、外部サービス(OpenTableやFansnapなど)の情報提供により表示する。これにより、ユーザーは検索結果ページの中だけでも、必要な情報をかなりの程度得ることができる。

ホテル検索の例

 Bingは当面の間、ユーザーの意図が明確な場合、例えば検索内容がホテル、レストラン、ビジネス、映画などの検索を行った場合に限りSnapshotを表示するが、徐々に適用範囲を拡大していきたい考えだ。

 もう1つの大きな機能は、ソーシャル検索の改良である。

 これは、アルゴリズムによる検索とは異なり、自分の友人に尋ねる感覚を検索に持ち込んだことになる。検索結果内にソーシャル検索の結果を表示するのをやめ、ページ右側にサイドバーが常時表示され、必要な場合に引き出すことができるようになった。

 このサイドバーには、Facebookの友人リストなどが表示されている。特に検索内容によって、Facebookの友人の中でも特に関連情報を持っていそうな友人が選び出され、上部に表示される。そこから直接友人に質問したり、コメントを求めたりすることができる。検索結果の一部を抜き出してコメントする仕組みも用意されている。

 また、自分の友人ネットワーク以外でも、情報を持っていそうな人々の情報がさらに下に表示される。これらの人々は、Twitter、Google+、LinkedIn、Blogger、Foursquare、Quoraなどから抜き出されており、これらの人々の過去の投稿を見たり、直接尋ねることもできる。

 また、サイドバーのさらに下には友人による投稿やクエリーが表示されるため、そこから自分が回答してあげることができるとしている。

 新Bingは、数週間かけて公開作業を進め、米国内一般ユーザーは6月初めまでには利用できるようになる。特に早く利用したい場合、登録することによって利用可能時点でメール通知してくれる。

 また、携帯端末でも数週間中には利用できるようになる。特に、小さな画面サイズに合わせたレイアウトのほか、タッチインターフェースにも最適化した新ユーザーインターフェースを採用しているとしている。

 Microsoftではソーシャルを利用する際に、ユーザーデータやプライバシーに十分注意を払ったとしており、BingはFacebookにサインインしてFacebookプロフィールからアクセスできる情報のみを表示すると説明している。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/5/11 11:42