「Amazon Maps API」発表。Google Maps APIからの容易な移行をアピール


 米Amazon.comは9月17日(現地時間)、地図アプリAPI「Amazon Maps API」を公開したと発表した。現在はベータ版で、利用にはサイトからの申し込みが必要。

 同社のタブレット新製品「Kindle Fire HD」に合わせて開発者向けに公開したもので、アプリに簡単に地図搭載でき、Kindle FireとKindle Fire HD新製品に対応する。なお、Kindle FireおよびKindle Fire HD新製品はandroid.location APIを利用した位置情報サービスにも対応する。

 Amazon Maps APIは、Google Maps APIからの移行が簡単な点をアピール。機能面では、地図をズームしたり回転させたりすることができ、ユーザーの現在位置表示画面は、通常の地図と衛星写真を切り替えて表示するなどの機能を提供する。また、「カスタム・オーバーレイ(Custom Overlays)」機能により、開発者は独自カスタマイズしたマーカーやピンを使って、ランドマークや事業所などを表示することができる。

 Google Maps APIは2011年10月にGoogle Maps APIを一定以上利用する場合に有料化することを発表。有料化は開発者コミュニティから大きな反発を受け、「OpenStreetMap」など他の地図サービスに移行する開発者やサービスが続出。「Google離れ」に注目が集まるきっかけになった。反発の大きさに、Googleは今年6月、地図読込1000回ごとに4ドルだった料金を50セントに大幅値下げするとの発表を行ったが、
無料利用上限のルール「90日間連続で毎日2万5000回以上の地図読込」には変更はなかった。

 大手企業でも、AppleがiPhone 5に搭載する「iOS 6」からは独自の地図サービスを実装し、Google Maps APIの利用をやめる方針だ。Microsoftは、次期モバイルプラットフォーム「Windows Phone 8」でNokiaの地図技術「Nokia Location Platform」を採用する。


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(工藤 ひろえ)

2012/9/18 15:59