ICT総研、公衆無線LANサービスの利用動向調査


 ICT総研は、公衆無線LANサービスの利用者動向をまとめた。スマートフォンの普及により公衆無線LANサービスの利用者も拡大しており、2015年には2500万人を突破するとしている。

 調査によると、2012年3月末までの公衆無線LANサービスの利用者数は808万人で、個人利用者は675万人、ビジネス利用者は133万人だった。2012年度末には1274万人にまで拡大し、その内訳は個人1072万人、ビジネス202万人になるという。その後も年間400万人ペースでユーザーは拡大し、2015年度には2568万人に達すると予測している。

 市場を牽引するのはスマートフォンで、携帯電話事業者のデータオフロード策に伴ってスマートフォンユーザーに事実上無料で提供され、一部のスマートフォンには自動接続できるよう初期設定された状態で出荷されている。ICT総研が2万1724人に調査した結果、公衆無線LANサービスの利用者は全体の10.8%に相当する2328人だった。

 なお、スマートフォン利用者の75%が公衆無線LANサービスを利用していない結果となった。ICT総研では、バッテリー減少への懸念や電波を切り替えるわずらわしさを課題に挙げ、使いやすいサービスとして認識してもらうことが必要と結論づけている。

 公衆無線LANサービスの満足度調査では、KDDIの「au Wi-Fi」とソフトバンクの「ソフトバンクWi-Fi」が共に62ポイントを獲得してトップになった。これに「UQ Wi-Fi」(UQコミュニケーションズ、60.7ポイント)「eoモバイル」(ケイ・オプティコム、、58.8ポイント)、「ホットスポット」(NTTコミュニケーションズ、58.4ポイント)、「docomo Wi-Fi」(NTTドコモ57.2ポイント)、フレッツ・スポット(NTT東西、57.1ポイント)が続いた。

 なお、サービスの内容や品質ではUQ Wi-Fiが、料金面ではソフトバンクWi-Fi、顧客対応でau Wi-Fiがそれぞれトップだった。

 このほか、Wi-Fi対応のモバイル情報端末は2012年度にも4000万台を突破するとされた。ICT総研では、2015年度には4954万台に達するとしている。


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(津田 啓夢)

2012/10/22 17:24