第4回Itojun賞決定、John Jason Brzozowski、Donn Lee、Paul Saab の3氏へ


 第4回目のItojun賞の受賞者は、John Jason Brzozowski、Donn Lee、Paul Saab の3氏に決定した。アトランタで開催中の第85回IETFの全体会議で11月7日に発表されたもの。

写真左から、Itojun Service Award Committee委員長の慶應義塾大学 村井純教授、John Jason Brzozowski氏、Paul Saab氏、Donn Lee氏

 Itojun賞は、Itojunの愛称で親しまれ、IPv6の開発と普及に尽力する中2007年に37歳で急逝した萩野純一郎博士にちなみインターネットソサエティに設置された。萩野氏の遺志を継ぎ、Itojun賞はIPv6の開発、普及、展開に貢献した人を授与することを目的とする。

 John Jason Brzozowski氏は、ケーブルTV会社Comcastにおいてそのネットワークサービス上でIPv6ネットワークサービスを提供することに尽力し、多くの利用者がIPv6ネットワークを利用できるようにしてきたことが評価され今回の受賞となった。同氏は、「今回の受賞は、これまでの多くの人々の成果の上に成り立っています。ComcastでのIPv6ネットワーク展開の努力は2005年からスタートしていますが、今後もIPv6展開を牽引するリーダーの一人としてその一翼を担っていきたい」とコメントした。

 また、Donn Lee氏とPaul Saab氏は、2011年6月8日に実施されたWorld IPv6 Day、そして2012年6月6日から実施されているWorld IPv6 Launchにいち早く参加、facebookのコンテンツをIPv6でアクセス可能とし提供し続けてきたことに対しての受賞となった。

 Donn Lee氏は、「IPv6を普及展開することは本当に驚くべき経験でした。今回一緒に賞を受賞した2人を含めた多くの人々とIPv6の展開に寄与できたことはエキサイティングな経験でした」と受賞の辞を述べた。また、Paul Saab氏は、「我々は、Itojunの先駆的で情熱的な仕事の成果がなければここには到達していません。また、今回の成果は私たちだけでなく、多くのfacebookの仲間達の努力がなければ達成できませんでした。しかし、まだ我々の成果は全体の2%に過ぎないことを思い起こしてください。我々はまだまだ努力は続けなければならないのです」と結び、今後さらなるIPv6普及のために尽力していくことを表明した。


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(溝内 公紘)

2012/11/9 06:00