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YouTubeやニコ動が音楽購入に好影響、一方で買い控え要因にも〜レコ協調査
(2013/2/12 18:15)
一般社団法人日本レコード協会は12日、2012年度の「音楽メディアユーザー実態調査」の結果を公表した。調査は2012年8月にインターネット経由で実施し、12~69歳までの4948人から回答を集めた。
音楽購入のきっかけ「無料動画配信サイト」が「テレビ」と肩を並べる存在に
過去半年間で新品CDを購入したという人は29.4%(前年比2.6%減)、CDをレンタルしたという人は21.6%(同1.8%減)、有料音楽配信・着うたフルを購入したという人は12.1%(同4.1%減)と、軒並み減少していた。
半年前までは購入したことのなかった「未知アーティスト」の新品CDを購入したきっかけ(複数回答)としては、「テレビ番組」が18.6%、「テレビCM(楽曲のCM)」が17.2%、YouTubeやニコニコ動画などを含む「無料動画配信サイト」が16.9%の順。無料動画配信サイトは前年の9.0%(7位)から急上昇した。
また、未知アーティストの着うたフル・音楽ファイルを購入したきっかけでは無料動画配信サイトが21.6%で最も多く、以下はテレビCMが21.3%、テレビ番組(音楽番組)が17.3%と続いた。
未知アーティストの新品CD購入のきっかけを年代別に見ると、中学生、高校生、大学・専門学生、20代社会人の若年層で無料動画配信サイトが最も多く、30代以上はテレビ(CM/番組)が上位だった。
未知アーティストの音楽ファイル購入のきっかけでも、無料動画サイトは高校生、大学・専門学生、60代で1位となっており、「若年層を中心に、30代以上でも無料動画配信サイトが従来のテレビのポジションに食い込んでいる」(日本レコード協会)。
音楽を買わない理由のトップも無料動画配信サイト
過去半年間に有料で楽曲を購入したことがある「有料聴取層」は46.6%(前回調査は49.6%)、音楽にお金を払っていないが、新たに知った楽曲も聴いている「無料聴取層」は17.1%(同17.0%)、「無関心層」は36.3%(同33.4%)だった。
無料聴取層が楽曲を購入しなかった理由(複数回答)では、「購入しなくても好きなときに聴取できた(YouTube等を使った)」が32.0%、「PC・スマートフォン等で無料動画配信サイト(YouTube等)での聴取が増えた」が29.5%で多かった。
また、「購入しなくても無料ダウンロードで入手したため」が14.8%、「PC・スマートフォン等で無料での音楽ファイルのダウンロード利用が増えた」が10.7%と、「ファイルのダウンロードよりも(無料動画配信サイト)視聴の方が影響大」(日本レコード協会)としている。
このほか、過去半年間で音楽を楽しむために利用した商品やサービスでは、無料動画配信サイトが60.0%(前年調査は54.5%)と最も多く、以下は「AM・FMラジオ」が40.4%(同36.6%)、「テレビ(BS放送含む)」が35.2%(同30.8%)と続いた。
今回の調査では、YouTubeやニコニコ動画などが未知のアーティストの楽曲を購入するきっかけに一役買っている一方で、無料動画配信サイトを通じた視聴が楽曲購入を代替している状況が浮かび上がった。
この点について日本レコード協会は、「無料動画サイトは、アーティストがプロモーションとして公式に使う一方で、無料視聴で購入から離れている実態もある。無料動画サイトが楽曲購入に良い影響があるかは一概には判断できない」とコメントしている。