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フリービット、クラウド技術を用いた2つのディザスタリカバリサービス

 フリービット株式会社は8日、ディザスタリカバリ(DR:災害対策)市場へ本格参入すると発表した。クラウドバックアップサービスを提供したい事業者向けのサービス「Cloud Backup」と、クラウドストレージサービス「Cloud Disk」を補完する中小企業向けのバックアップサービス「Cloud Diskローカルバックアップ」を提供開始する。

 新サービスのうち「Cloud Backup」は、クラウドバックアップサービスを提供できるインフラや仕組みを、サービス事業者向けにOEM提供するもの。世界12カ国で特許権を取得しているSDN関連技術「Emotion Link」を用いて、ソフトウェアネットワークによる柔軟な閉域網を構築し、その中に設置したバックアップセンターへデータをバックアップできるようにする。

 バックアップセンターは、東京、香港、大阪の多拠点で運用されており、バックアップする拠点はユーザーが自由に選択可能。複数拠点へデータバックアップすることも可能なため、1拠点で災害が起こった場合でもデータの可用性を維持できる。

 対応環境はCentOS 5/6と各種Windows Server。なお、閉域網へ参加するために、サーバー機にソフトウェアをインストールする必要があるが、5分程度で作業は完了するとのこと。提供価格は、100GBあたり月額5000円程度となる。

 一方の「Cloud Diskローカルバックアップ」は、企業向けのクラウドストレージサービスであるCloud Diskと、中国aigoと共同開発したバックアップ専用ハードウェア(ローカルストレージ)を組み合わせたDRサービスである。

 Cloud Diskは、PCやスマートデバイスからクラウドストレージやファイルサーバーとして利用できるほか、デバイス間の同期を実現するSync機能も提供されている。新サービスでは、このCloud Diskへ社内サーバーを移行させた上で、企業内に設置するローカルストレージへ定期的に自動バックアップを行う仕組みを提供する。

 エンドユーザーは、クラウド上にあるCloud Diskをファイルサーバーとして利用して業務を行うが、万一の災害時にデータセンターが被災してデータが破損したり、ネットワーク環境が悪化したりしても、手元にあるローカルストレージのデータを利用できることから、迅速な事業復旧を実現するとした。

 価格は、5年リースの場合で月額5000~1万円となる。

(石井 一志)