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ネット選挙解禁に伴う攻撃にも注意、マカフィーが警告

 マカフィー株式会社は、インターネットを利用した選挙運動を解禁する改正公職選挙法が成立したことを受け、ネット選挙解禁で考慮すべき脅威について、海外での事例などを公式ブログで紹介している。

 米国では、クレジットカードを利用した「ネット献金」で多額の資金を集める候補者も出てきたが、それに伴って犯罪も発生。2004年の米大統領選挙では、民主党候補のケリー陣営を装ってネット献金を募るフィッシング詐欺が発生しており、こうした誤った情報にだまされないよう、有権者はメール送信者やウェブサイトの安全性について十分注意する必要があると注意を促している。

 韓国では、2012年にネット選挙が全面解禁になり、投票率が13%ほど上がるなど若年層の積極的な政治参加につながったと言われている。一方で、2011年のソウル市長補欠選挙では、中央選挙管理委員会のサイトがDDoS攻撃を受け、サーバーがダウンする事態が発生。この事件は、与党の国会議員秘書が投票率の引き下げを目的に、外部業者にDDoS攻撃を要請していたことが判明し、事件後に逮捕されている。2012年の国会議員総選挙でも、中央選挙管理委員会のサイトが再びDDoS攻撃を受け、一時的に閲覧できない事態が発生しているという。

 今回の日本の法改正では、なりすましの禁止やメール送信者への氏名やメールアドレスなどの表示の義務付けなど、懸念されている問題に対する罰則も盛り込まれているが、インターネットの世界では様々なサイバー犯罪が日々発生しており、最近ではSNSやサービスサイトのアカウントに対する不正アクセスが数多く発生しているとして、アカウントの乗っ取りやフィッシング詐欺などに遭わないよう、日頃から基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要だとしている。

 また、オバマ大統領のようにソーシャルメディアの活用が選挙にとって重要となっている一方で、政党や政治家の政策や行動に対しては海外から反発を受け、攻撃を受けることも考えられるとして、著作権法改正への抗議として2012年6月にAnonymousが日本の官公庁のウェブサイトなどを攻撃した「Operation Japan」の事例を紹介。攻撃の脅威は日本国内だけでなく世界中からも起こりうることを認識しておく必要があるとしている。

(三柳 英樹)