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米Microsoft、複数のベンチャー支援事業を「Microsoft Ventures」に統合

 米Microsoftは25日、複数のベンチャー支援事業を新組織「Microsoft Ventures」に統合すると発表した。

 発表によると、Microsoft Venturesは「市場へのツール、リソース、専門知識と市場へ道筋を、メンターによる指導、技術支援、シード資金、共同販売の機会やその他の利点を提供するための、協調して行われるグローバルな取り組み」になるという。新組織はベンチャー資金供給ファンドBingファンド、BizSpark、その他のアクセラレータープログラムを統合することで発足することになる。

 発表を行ったMicrosoft StartUpsゼネラルマネジャーのRahul Sood氏は高級PCメーカーVoodooPC創業者で、その後事業を米HPに売却し、2010年にMicrosoftに入社した起業家だ。Microsoftではこれまで、100カ国以上から7万5000以上のスタートアップに対してBizSparkを通してツールとリソースを提供し、過去2年間には114のスタートアップがMicrosoftのアクセラレータープログラムを卒業。このうちいくつかの企業に対しては投資も行っている。

 こうした実績の上でSood氏は、「我々の種々の取り組みを統合することによって、起業家にMicrosoftと関わり合うための単一のエントリポイントを提供する」と新組織発足の意図を説明した。

 BizSparkについては閉鎖するわけではなく、引き続きMicrosoftのツールを提供し続け、資金提供も行っていく。

 アクセラレータプログラム「Microsoft Ventures Accelerators」は、現在米国のシアトル、イスラエルのテルアビブ、フランスのパリ、中国の北京、インドのバンガロールで活動しているが、新たにドイツのベルリン、ロシアのモスクワ、ブラジルのリオデジャネイロにも拠点を設ける。

 新設されたアクセラレータープログラムに応募するための最低条件としては、「フルタイムの創業チーム、現実の問題に挑戦し解決するための大胆なビジョン、テクノロジーによるソリューション、100万ドル未満の資金調達実績」を挙げている。その上で、BingファンドはMicrosoft Venturesによりシード資金供給企業の数を増やし、初期段階の成功の後にも資金供給を受けられるようになる。

 Microsoftは26日から米国サンフランシスコで開発者向け会議「Build2013」を開催予定で、Microsoft Venturesの発表はその直前に行われたことになる。

(青木 大我 taiga@scientist.com)