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米視聴率調査大手Nielsen、2014年にWebやモバイル経由の視聴率調査を開始

~サードパーティー向けSDKも公開

 米国最大の視聴率調査会社Nielsenは28日、テレビの視聴率測定にモバイル視聴者を追加することを公式ブログにて発表した。新しい方法による視聴率計測は2014年9月の新シーズンから開始される。

 Nielsenは近年抱えていた問題について、「複数の部屋のデジタルビデオレコーダー、インターネットに接続されたテレビ、タブレット、スマートフォン、さらにはWebブラウザー内再生やアプリコンテンツビジネスのような業界のブレークスルーは、多くの選択肢と柔軟性を提供している。こうした新しい視聴方法については視聴者の断片化を招き、どのような方法で映像コンテンツの価値を算定し収益化すればよいのか、市場に挑戦を突きつけてきた」と説明した。Nielsenは旧来通りの視聴率測定に対して近年批判を浴びていた。

 Nielsenはこうした問題を解決するため、11月中旬に視聴率測定を可能にするSDK(ソフトウェア開発キット)を提供すると発表。様々なサードパーティー製モバイル端末やセットトップボックスにこのSDKを組み込むことができるようになる。

 Nielsenでは、視聴されているコンテンツが満たす条件に応じて、テレビ視聴率またはデジタルコンテンツかを識別し、テレビの場合はNielsenのテレビ視聴率に、Webやモバイル端末で視聴された場合はネット視聴率専門のNielsen Digital Ratingsに分類する。この識別方法として、SDKでは番組のオーディオ透かし、メタデータ、タグ、広告などを挙げた。それに加えてFacebookなどのデータプロバイダーからの情報も匿名化して利用するとしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)