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米Microsoft、第3世代Photosynthプレビュー版公開
~超高解像度3D空間の中を移動可能に

 米Microsoftは10日、複数枚の写真から3D空間を再現する映像技術「Photosynth」の第3世代バージョンプレビュー版を一般公開した。現在Photosynthプレビュー版Webサイトにて、新しい3D画像を体験できる。PhotosynthはMicrosoftの研究所で開発された「最もクールな技術」などと評されることもある注目の技術だ。

 プレビュー版サイトにサインアップすれば、自分が撮影した写真から3D画像生成も可能だ。サインアップ後のアカウント登録は早い者順で、出来次第メールで通知される。数日中にはほとんどのユーザーに対応できる見込みとしている。

 新Photosynth画像は、WebGLを搭載したWebブラウザーで表示できる。まるで動画のようにスムーズでありながら、どの場面でも静止させ、特定のポイントに向けてズームや回転が可能だ。

マウス操作でもタッチ操作でも回転やズームができ、ボタンひとつで共有も可能

 Microsoftは新Photosynth公開に合わせ、世界的な登山家・写真家であり、「Glacierworks.org」創業者であるDavid Brashears氏に協力を仰ぎ、エベレストを超高高度で飛行するヘリコプターから撮影したPhotosynth3D画像を公開している。

 新Photosynthではこれまでと異なり、4つの撮影方法を場面に応じて使い分けられるようにした。1つの物体を周囲から撮影する「Spin」、1か所から周囲を見渡す光景を撮影できる「Panorama」、撮影者と一緒に森や家の中を歩いている様子を撮影できる「Walk」、絵画など一面の平面を連続的に撮影できる「Scene」の4種類だ。

 スマートフォンのカメラでももちろん撮影可能だが、超高解像度のメリットを生かすためにも、デジタル一眼レフカメラなどの使用が推奨されている。

 Photosynthはアップロード写真の1枚ごとの共通点、共通の物体を認識し、写真が撮影された場所やカメラの向きを元に、その場所の3D空間を生成していく。

 そのため、写真撮影には多少の工夫が必要だ。風景がほとんど変化しない砂漠のような場面では、数歩ごとに撮影しても十分だが、家の中や観光地など画像の変化が激しい場所では、一歩ずつに一枚撮影するなどきめ細かく撮影すると、より精細なPhotosynth3D画像を生成できるという。

 Photosynthアカウントにアップロードされた画像は、Photosynthプロジェクトでは初めてWindows Azureにて処理され、Photosynthサイトから閲覧できるようになる。この3D画像はFacebook、Twitter、Webサイトへの埋め込みによって共有可能だ。

 Microsoftは先週、「Bing Map Preview for Windows 8」を公開した。発表では「イマーシブ3Dで世界を横断、探索できるような惑星のデジタルレプリカを作成する」ことを目的と説明しており、新Photosynthも今後のMicrosoftの地図戦略で大きな役割を果たしそうだ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)