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ヤマハ「QY」の伴奏パターンがiOSで復活、市販曲のコード進行を耳コピしてくる機能も

「Mobile Music Sequencer」アプリがバージョンアップ

 ヤマハ株式会社は19日、iOS向けシーケンサーアプリの新バージョン「Mobile Music Sequencer V3.0」をリリースした。App Storeよりダウンロードできる。価格は1600円だが、2014年1月6日まではバージョンアップ記念セールで半額の800円。なお、同アプリを購入済みの場合は無料でV3.0にアップデート可能。

 Mobile Music Sequencerは、豊富に用意されたフレーズパターンを組み合わせて「セクション」を作り、そのセクションを順番に並べてコード(和音)進行を指定していくことで楽曲を形作っていくタイプのシーケンサーだ。ソフトウェアシンセサイザー音源も搭載している。

 最新バージョンのV3.0では、楽曲のオーディオファイルからコード進行を解析する技術「Audio Chord Assist」を搭載したのが最大のアップデートポイントとなる。

 Audio Chord Assistは、iOSの「ミュージック」アプリのライブラリに保存されている楽曲を指定することで、その楽曲のコード進行を自動的に割り出してくれる機能。解析結果のコード進行から任意の範囲をMobile Music Sequencerに取り込めるため、自分の好きな曲と同じコード進行を使ったオリジナル曲を簡単に作れるようになる。

Audio Chord Assist

 Mobile Music Sequencer用のフレーズパターンは、音楽ジャンルごとのデータパックとしてアプリ内課金(各400円)で販売されているが、今回のバージョンアップに合わせてヤマハでは「QY Pack」(800円)を新たにラインナップした。

 「QY」というのは、ヤマハのハードウェアシーケンサー製品のシリーズで、1990年に発売された「QY10」が初代製品。VHSビデオテープサイズというハンディさ(専用ケースもVHSビデオソフトのプラスチックケースと同じ大きさ・構造)が特徴で、楽器音源も内蔵。電車の中などでもこれ1台で楽曲トラック制作が行えるようになっており、タブレットどころかノートPCもまだ普及していなかった時代に登場した“モバイルシーケンサー”だ。

 音楽スタイルとコード進行を指定していくことで伴奏パートを制作できるという、Mobile Music Sequencerともよく似た仕組みもQYシリーズの特徴。QY Packでは、QYシリーズの伴奏パターンから1000以上のフレーズ/コード進行を収録したという。フレーズパターンのみ/コード進行のみでも利用できるが、フレーズ/コード進行をまとめてMobile Music Sequencerに読み込めるため、QYシリーズと同じ感覚で楽曲制作が行えるとしている。

フレーズデータパックの購入画面
「QY Pack」収録の伴奏パターン

(永沢 茂)