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「もんじゅ」担当職員のPCがウイルス感染、情報漏えいの可能性

 独立行政法人日本原子力研究開発機構は6日、高速増殖炉「もんじゅ」の発電課当直職員が使用するPCがウイルスに感染し、PC内の情報の一部が外部に漏えいした可能性があると発表した。

 日本原子力研究開発機構によると、1月2日に機構から外部に向けた不審な通信が発見されたと、外部監視を委託しているセキュリティ会社から連絡があり、当該PCをネットワークから切り離して通信状況を調査した。その結果、当該PCがウイルスに感染し、1月2日午後3時2分から4時35分までの間に、外部のサイトに向けた不審な通信により情報漏えいの可能性のあることが判明したという。

 現時点で原因や影響については調査中だが、不審な通信は、一般に配布されている動画再生ソフトを当該PCでアップデートした直後に発生しており、この際に何らかの方法でウイルスに感染させられた可能性が高いとしている。ログからは、外部のサイトとは33回の通信を行っており、うち1回は約3.8MBのデータを送信していたことが確認されている。

 当該PCに格納されていた情報は、発電課当直員の教育・訓練報告書、訓練予定表、機構改革小集団討議関係資料、メールデータなど。当該PCは事務処理に使用しているもので、プラントの運転制御・監視には関係なく、核不拡散・核セキュリティ上重要な情報が格納されていないことを確認しているという。

 日本原子力研究開発機構に確認したところ、現時点では機構を狙った標的型攻撃ではないと思われるが、原因や影響については調査中と説明。こうした事態が生じたことを重く受け止め、速やかに原因究明および影響などの調査を進めるとともに、再発防止に向けて取り組んでいくとしている。

(三柳 英樹)