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NEC、ISP子会社「BIGLOBE」の売却を正式発表、日本産業パートナーズへ

NECビッグローブ株式会社(BIGLOBE)のウェブサイト

 日本電気株式会社(NEC)は30日、ISP事業子会社のNECビッグローブ株式会社(BIGLOBE)を売却することを正式発表した。

 NECが保有するBIGLOBEの全株式(発行済み株式の78.0%)を、日本産業パートナーズ株式会社の投資ファンドが出資する特別目的会社に譲渡することで同日合意した。3月末をめどに株式譲渡を完了し、4月から新たな株主のもとでBIGLOBEの事業運営が開始される予定だとしている。

 NEC:「BIGLOBEがさらなる競争力を獲得し事業拡大を行うためには、ダイナミックかつ機動的な事業運営が必要と判断した。今回の合意に基づき、BIGLOBEは日本産業パートナーズの資金面・経営面での支援を受けることでさらなる事業成長を実現する。」

 日本産業パートナーズ:「中長期的な視点で、BIGLOBEが保有するISP事業における競争力やインターネット基盤運営における強力な事業ノウハウを活かし、日本産業パートナーズが経営支援を行うことで、よりよいサービスをお客様に提供できるよう、BIGLOBE事業の成長・拡大を全面的に支援していく。」

 BIGLOBE:「NECグループから独立し、日本産業パートナーズの豊富な経営支援ノウハウを活用することで、より機動的かつ戦略的に事業を展開していく。ブロードバンドやモバイル等の300万人の接続利用者、アプリや企業向けサービスなどの提供実績、高い信頼性を有するインターネット基盤とその運営ノウハウを活かして、さらなる成長を目指す。今後は、ブロードバンド、モバイル回線を組み合わせ、さらにアプリやクラウドを活用することで、コンシューマーや企業のお客様に、新たな価値を持つサービスを提供していく。」

 NECは、1986年4月にパソコン通信・データ通信サービス「PC-VAN」、1995年2月にインターネット接続サービス「mesh」、1995年6月にコンテンツ販売サービス「CYBER PLAZA」をそれぞれ開始。これらを統合するかたちで、1996年7月に総合インターネットサービスのBIGLOBEが誕生した。その後、2006年7月にNECビッグローブ株式会社として分社化。約600人の従業員を抱える。

 BIGLOBEの2012年度の売上高は841億円で、その8割をISP事業が占めている。そのほかの事業は、コンシューマー向けアプリ/ポータルサービスが1割、企業向けクラウドサービスが1割。

 NECでは30日夕方に開催した2013年度第3四半期決算記者会見の中で、BIGLOBEの売却についても言及した。詳細は、別記事『NEC「BIGLOBE」の売却について説明、ブランドやサービスは当面そのまま継続』を参照のこと。

(永沢 茂)