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子供にとってスマホゲーム課金はNG、理由は「ズルでカッコ悪いから」

 デジタルアーツ株式会社は10日、若者の間で起きている出会い系被害やゲームの高額課金、炎上、SNS“はずし”によるネットいじめなどのトラブルを疑似体験できる啓発アプリ「スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ」をアップデートし、3つの新しいストーリーを追加した。スマートフォン利用によるトラブルを身近に感じている大学生・高校生にシナリオ制作などで協力してもらったもの。

 今回追加したストーリーは、小学生のゲーム依存に関するトラブル1話と、高校生のメッセンジャーアプリでのやりとりに起因する友人間のトラブル2話。兵庫県立大学および大阪府の私立羽衣学園高等学校の学生が協力し、若者の視点を取り入れているという。

 デジタルアーツ経営企画部の工藤陽介氏によると、従来から収録していたストーリーは、報道されたニュースなどをヒントにして同氏が制作していたが、どうしても大人視点になっていたのではないかという。これに対して今回は、工藤氏では思い付かないような若者ならではの視点も盛り込まれているとしている。

 例えば、ゲーム依存のストーリーでは、成績優秀な男子小学生がスマートフォンを買ってもらったのをきっかけに深夜までゲームをするようになり、やがてテストで悲惨な点数をとってママから雷が落ちるというものだ。ゲームでは課金アイテムを何度も使い、仲のよかった友人からも軽蔑されてしまう。

 工藤氏によると、スマホゲーム課金のし過ぎがいけないとされる理由は、大人にとってはお金の浪費という観点からだが、子供にとっては、お金を使ってレベルを上げるのは「ズルでカッコ悪いから」なのだという。この男子小学生も、同じゲームをしている友達から「お前、課金したやろ。マジで、課金とかつまらんわ。お前、そんなんしたら俺より強くなるんも当たり前やん。あーあ、つまんね。それで、俺のレベル超えて楽しいんか? まぁ、楽しいんやろうな。よかったな」などと言われて愛想を尽かされてしまうシーンがある。

 また、メッセンジャーアプリでのトラブルでは、はずし(仲間はずれ)に至る会話の流れが、学生ならではの生々しい表現だという。

 ストーリーを構成する各シーンの写真の撮影にも学生らが協力。高校生の友達同士の雰囲気を出しているほか、ランドセルを背負って小学生も演じている。アプリでは、トラブルを疑似体験した後、例えば「ネットで人間関係・学校生活を台無しにしない」といった、学生らによるアドバイスを見ることができる。

 「スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ」は、iOS 5.0以降とAndroid 2.2以降に対応しており、それぞれApp StoreとGoogle Playから無料でダウンロードできる。

(永沢 茂)