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クラウド電話API「Twilio」、0120番号の開始と料金値下げを発表
(2014/4/9 17:46)
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズは9日、クラウド電話API「Twilio」に関するイベント「Twilio JAPAN SUMMIT 2014」を開催し、新サービスや料金の値下げなどを発表した。
「Twilio」は、電話の発着信や音声合成、録音、SMSの送信など、電話に関する各種の機能をAPIとして提供するサービス。米Twilioとの提携により、KDDIウェブコミュニケーションズが2013年4月に日本でもサービスを開始し、1周年となる今回、イベントが開催された。
KDDIウェブコミュニケーションズTwilio事業部ゼネラルマネージャーの小出範幸氏は、日本でもサービス開始以来、音声やSMSのトラフィックが順調に増加しているというデータを紹介し、Twilioを使ってさらに多くのビジネスを生み出してほしいという考えから、新サービス提供と料金の改定を行うとした。
新サービスとしては、着信専用の0120番号の提供を発表。これまで、Twilioが提供する電話番号は050番号のみだったが、新たに着信側が料金を負担する0120番号を提供。これにより、ユーザーからの問い合わせなどにさらに活用が期待できるとした。0120番号の料金は、基本料が月額1620円(税込、以降価格はすべて税込)、通話料(着信料)が1分21.6円。
また、通常の050番号のプランについては、従来の基本料月額490円を月額108円に値下げ。通話料についても、固定番号宛の通話料は1分9円から1分5.4円に、携帯電話宛の通話料は1分19円から1分16.2円にそれぞれ値下げする。
さらにキャンペーンとして、6月30日まで050番号のプランを基本料月額54円で提供(新規・既存ユーザーとも)。0120番号のプランについても、6月30日までに申し込み、2015年3月31日まで契約したユーザーを対象に、基本料1080円で提供する。
ネットと電話、オンラインとオフラインを結び付けるTwilio
小出氏は、M2Mやオムニチャネル、O2Oといったさまざまなバズワードが飛び交っているが、そのいずれにもTwilioは親和性が高いとして、電話の重要性を説明。求人サイトの「アグレワーク大阪」がTwilioにより電話での受付もサポートに加えたところ、売上が1.8倍になったという事例を紹介し、顧客層に電話のニーズが高い場合には特に効果的だとした。
インターネット上でのサービス提供が中心となり、スマートフォンも増加している一方で、現在でも携帯電話の約6割はフィーチャーフォンであり、電話のトラフィックは国内で年間1100億コールあるなど、電話は依然として無視できないチャンネルだと説明。大手企業による音声アプリの高額な買収が相次いでいるように、ネットだけでなく電話も重要であることは今後も変わらないだろうとして、Twilioでネットと電話、オンラインとオフラインを結び付けていただきたいと語った。
Twilioの活用事例としては、ニフティ株式会社(@nifty)が家事代行やハウスクリーニングなどのサービスを紹介している「暮らしづくり 代行」を紹介。Twilioを仲介することで、個人情報(電話番号)をマスクした状態でユーザーと業者をつなぐことが可能になり、電話をよく使う40~50代の顧客層にも親和性が高いことなどから、実際の申し込み状況も4:6でウェブより電話の方が多いという。
別の事例としては、福岡市が提供している「PM2.5ダイヤル」を構築した株式会社エイゾクを紹介。PM2.5への関心の高まりを受け、福岡市ではウェブで情報提供を開始したが、インターネットを使えない・使いにくい人たちはまだまだ多く、PM2.5に関する報道などがあると、市に電話が殺到していたという。そこで、Twilioを使って、ウェブに掲載している情報を電話で案内するシステムを構築。クラウド型サービスのため電話回線数に制限がなく、開発も1カ月と短期間。低コストでの運用が可能で、協賛するマスクメーカーの音声広告も流すことにより、広告費のみで運用ができているという。