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データ通信と音声通話込みで2980円から、「Y!mobile」が新料金と新製品を発表

 ワイモバイル株式会社は、現在展開しているブランド「イー・モバイル」「ウィルコム」を「Y!mobile」に統一して8月1日より提供する新料金プランと新端末を発表した。

テーマはENJOYとEASY

 7月17日に行われた記者会見で、ワイモバイルCEOのエリック・ガン氏は、日本でのスマートフォン普及率の53.5%という数字に触れ、シンガポールの93.1%や韓国の88.7%、英国の80.0%と比較すると日本は遅れていると指摘。スマートフォンを持っていない約半数の人たちに対して、ENJOY(楽しい)とEASY(簡単)をテーマにした商品と料金プランを提供すると述べた。

ワイモバイルCEOのエリック・ガン氏
日本のスマートフォン普及率は53.5%と、海外と比較して立ち遅れていると指摘
テーマはENJOYとEASY
Y!mobileは8月1日スタート

 スマートフォンの普及率が低い原因としてガン氏は、料金プランの高さと分かりにくさを指摘。現在の主要3キャリアの料金プランは横並びになっており、最低でも6500円の月額利用料がかかるとし、「基本料金+ウェブ接続料+データ量に応じたパケット料金」という複雑な料金プランではなく、コーヒーのサイズの「S・M・L」のように、分かりやすく自分の使いたいデータ量で選べる3つのプラン「スマホプランS/M/L」を発表した。

 スマホプランS/M/Lは、1回10分、300回まで通話できる国内通話と、データ通信を込みで提供。月に1GBまで使えるスマホプランSでは月額2980円(税別)、月に3GBまで使えるスマホプランMでは3980円(税別)、7GBまで使えるスマホプランLでは5980円(税別)と、主要3キャリアと比較して低価格で利用できる。また、通話時間、通話回数を気にせず国内通話が可能になるオプションサービス「スーパーだれとでも定額」も月額1000円(税別)の追加料金で利用できる。

スマホ料金の現状の課題
新しく提供される「スマホプランS/M/L」
スマホプランSと主要3キャリアの最低月額料金を比較
無制限で通話できる「スーパーだれとでも定額」が用意される

 なお、現在提供中の「4Gデータプラン」および「新ウィルコム定額プランS」は新規受付を終了し、8月1日より「Pocket WiFiプラン」、「ケータイプラン」としてサービスを開始する。現在販売中の端末については、当面は継続販売する見通しだ。

 ガン氏は、Y!mobileにはいろいろな意味があり、ENJOY、HAPPY、BEAUTYなどYの力で魔法をかけていきたいとし、Y!にはヤフー以外の意味も含まれていると強調した。

ヤフーのサービスと連携、パケットのマイレージサービスも

 ヤフーと業務提携により「Yahoo! JAPAN」の各サービスと連携。「Yahoo! JAPAN ID」の発行、「Y!mobileメールアドレス(@yahoo.ne.jp)」の提供、「Yahoo!ウォレット」の登録のほか、30GBまで利用できる「Yahoo!ボックス」が無料で提供される。

 また、Yahoo! JAPANのサービスの当月利用実績に応じて、翌月に利用可能なデータ通信量を獲得することができるサービス「パケットマイレージ」も提供される。Yahoo! JAPANアプリ、スマートフォン版Yahoo! JAPANトップページにログインするだけで、契約しているプランに応じたマイルが1日1回貯まる。ボーナスマイルも提供され、5日間連続でYahoo! JAPANにログインすることで、最大200マイルを受け取れる。

ヤフー連携サービス一覧。30GB分のYahoo!ボックス含め無料で利用できる。
ヤフーのサービスを利用することで貯まったマイレージをパケットに利用できる「パケットマイレージ」
貯めたパケットによってランクが分かれており、0.5GBから無制限まで4つのランクがある
ボーナスマイルとして、5日間連続でYahoo! JAPANにログインすることで、最大200マイルを受け取れる「パケくじ」


1週間持つPHS端末や、TVチューナー付きモバイルWi-Fiルーターを発売

 新料金プランにあわせて新端末も発表された。PHS音声端末が2種類、スマートフォンが2種類、モバイルWi-Fiルーターが1種類、秋にPHS端末をもう2機種追加した7機種を夏秋モデルとして展開する。

PHSは秋モデルを計4機種投入
スマートフォンを含めた夏秋モデル

 コンシューマー向けの音声PHS端末として、京セラ製「STOLA(301KC)」を8月1日に発売する。連続通話時間10.5時間、連続待ち受け1020時間を実現し、1回のフル充電で1週間程度使い続けることができる。サイズは118×46×13.9mm(縦×横×厚さ)、重さは75g、液晶は1.8インチ、カメラやブラウザーは搭載しない。カラーは白と黒がメインだが、オプションで、5色の着せ替えカバーが用意される。

省電力で1週間連続使用可能
STOLA(301KC)の正面
STOLA(301KC)の裏面

 ビジネスユース向けの音声PHS端末として、日本無線製「BISINESTA(301JR)」を8月1日に発売する。内線用の電話機として使える「自営標準第2版」に対応し、企業内PBXとの連携が可能。「W-VPN」サービスにも対応するため、社外でも内線番号で呼び出しできる。そのほか、通話録音やICレコーダー、時間帯によって指定した機能を制限する「管理者ロック機能」も備える。サイズは135×44×12.8mm(縦×横×厚さ)、重さは94g、液晶画面は2インチ。病院や飲食店、工事現場でも使用できる防水・防塵設計。

オフィスモード対応で、社内では内線、社外では携帯電話として使える
BISINESTA(301JR)の正面
BISINESTA(301JR)の裏面

 モバイルWi-Fiルーターの新機種として、Huawei製「Pocket WiFi(303HW)」を8月1日に発売する。ワンセグ/フルセグ対応のTVチューナーを搭載し、スマートフォン/タブレットでテレビ放送を受信できる。連続稼働時間は、フルセグ受信時で9時間、ワンセグ受信時で11時間、通信時間は9時間。サイズは59.5×101×15.9mm(縦×横×厚さ)、重さは130g、液晶は2.4インチタッチパネル搭載。通信方式は、W-CDMA(1.5GHz/1.7GHz/2.1GHz)、FDD-LTE(1.7GHz)、AXGP(2.5GHz)に対応し、最大通信速度は下り110Mbps、上り10Mbps。Wi-FiはIEEE 802.11 b/g/n。

TVチューナーを搭載し、フルセグ/ワンセグの視聴が可能
Pocket WiFi(303HW)の正面とテレビ受信画面
Pocket WiFi(303HW)の裏面

 スマートフォンの新機種として、Huawei製「STREAM S(302HW)」を8月1日に発売する。f値2.0のレンズを搭載した800万画素アウトカメラと、500万画素のインカメラを搭載。綺麗に自分撮りができるという。OSはAndroid 4.4、CPUはHiSilicon製クアッドコア(KIRIN910)、RAMは2GB。4.7インチHD(1280×720ドット)液晶ディスプレイで、本体サイズは133×66×6.8mm(縦×横×厚さ)、重さは110g。通信方式は、国内ではW-CDMA(900MHz/1.7GHz/2.1GHz)、FDD-LTE(1.7GHz)に対応。Wi-FiはIEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0に対応する。カラーは、ホワイト/ピンク/ブラックの3種類。

6.8mmのスリムボディに110gの軽量設計
STREAM S(302HW)の正面
STREAM S (302HW)の裏面

 スマートフォンのもう1つの新機種として、京セラ製「DIGNO T(302KC)」を9月に発売する。防水・防塵に加え、MIL規格の耐落下衝撃に対応。スマートソニックレシーバーを搭載し、ディスプレイ全面を振動させ、騒がしい場所での相手の声を聞き取りやすくしているという。OSはAndroid 4.4、CPUはQualcomm製クアッドコア(MSM8926)、RAMは1.5GB。4.5インチqHD(960×540ドット)液晶、800万画素アウトカメラを搭載し、本体サイズは132×65×11.2mm(縦×横×厚さ)、重さは139g。通信方式は、国内ではW-CDMA(900MHz/2.1GHz)、FDD-LTE(900MHz/2.1GHz)、AXGP(2.5GHz)に対応。Wi-FiはIEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0に対応する。カラーは、ブラック/ホワイト/ブルー/オレンジに、「ツール・ド・東北スペシャルカラー」としてグリーンを含めた5種類。このモデルのみ、SIMロックが掛けられている。

IPX5・IPX7相当の防水性能と、IP5X相当の防塵性能、MIL規格に準拠した耐衝撃性能を備える
DIGNO T(302KC)の正面
DIGNO T(302KC)の裏面


ヤフーとの資本提携でなくともスマートフォンの普及率を上げたい

 質疑応答では、ヤフーとの資本提携見送りについてガン氏は、当事者ではないためオフィシャルではノーコメントとしながらも、「ヤフーとソフトバンクは、どちらも上場企業で社内ガバナンスはしっかりしているが、資本提携後の取引関係で実際に詰めてみないと分からないもので、お互いのガバナンスに対して問題が発生する可能性があり、資本提携の見送りになったのでは」と述べた。ワイモバイルCOOの寺尾洋幸氏は、ヤフーのメンバーと、スマートフォン普及率を増やすためには資本提携でなくとも実現できるとサービス実現に舵を切ったとしている。

 また、格安SIMについては、中身を見てみるとデータ用SIMが多く、音声付きSIMもあるが通信速度が遅かったりや説明が分かりづらいと指摘。今回のプランでは、月額2980円で速度制限もなく音声通話もできる上、端末のサポート、通信のサポート、エリアなど全体的に最適な価格だとした。なお、サポートは、全国約1000店の専門ショップでの対応と、「EMワイドサポート」という有料サポートサービスをすでに展開している。

(山川 晶之)