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OCN、「ひかり電話ルーター」によるIPv6接続開始、専用アダプター不要

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は7月30日より、ISPサービス「OCN」において、NTT東日本およびNTT西日本の「ひかり電話ルーター」を用いたIPv6 PPPoE接続サービスを順次提供する。別体式アダプターを準備することなく、同ルーターのファームウェア更新作業だけでIPv6接続を利用できるようになる。

「ひかり電話ルーター」を用いたIPv6 PPPoE接続サービスの概念図

 IPv4アドレスの枯渇問題を背景に、IPv6への移行は近年急務とされてきた。しかし、加入者側の宅内に設置するゲートウェイ機器の整備で新たなコスト負担が発生することなどを理由に、移行は進んでいない。

 中でも、NTT東西の光ファイバー接続サービス「フレッツ 光ネクスト」においてPPPoE方式のIPv6接続サービスを導入するには、標準的なゲートウェイ機器のほかに、「インターネット(IPv6 PPPoE)接続機器」と呼ばれる別体式アダプターを加入者宅に追加設置する必要があった。

 こういった問題を受け、NTT東西と一般社団法人インターネットプロバイダー協会(JAIPA)の間で、IPv6用アダプターの機能をゲートウェイ機器に搭載(内蔵)するという方針を策定。対応に向けた動きが進められてきた。

 今回のIPv6接続サービスで対象となる回線は「OCN 光 with フレッツ」「OCN 光 『フレッツ』」および企業向けの「OCN 光『フレッツ』(IP1~64/for VPN)」。また、指定の「ひかり電話ルーター」が加入者宅に設置されている必要がある。

 なお、加入者によるIPv6認証IDの設定は不要。ファームウェアが適用され次第、IPv6接続が利用できるようになる。

 7月30日の時点で今回のIPv6サービスが利用可能になるのは鳥取県と佐賀県のみ。2014年2月には山梨県と香川県で開始し、以後エリアを拡大していく予定という。

(森田 秀一)