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LINE、国内のゲームデベロッパーやゲームコンテンツを対象とした投資ファンド設立
(2014/8/6 19:46)
LINE株式会社は6日、日本国内のゲームコンテンツ開発会社およびゲームコンテンツを対象とした投資ファンド「LINE GAME Global Gateway」を設立した。
ファンドの投資規模は100億円
LINE GAME Global Gateway設立に伴い記者発表会を開催、LINE株式会社上級執行役員/CSMOの舛田淳氏が登壇した。無料通話/メッセージアプリとして開始したLINEは、現時点で登録ユーザー数が4億9000万を突破。LINEおよびLINEファミリーアプリも10億ダウンロードを記録したという。また、O2O、デジタルコンテンツ、eコマース、ゲームなど、プラットフォームとして展開を拡大している。
2012年11月より本格的に提供開始した「LINE GAME」は、外部コンテンツプロバイダーとの連携および共同開発を含め、40タイトルのゲームを提供し、累計4億1000万ダウンロードを記録している。また、LINEは、App StoreとGoogle Playでのゲームパブリッシャー売上ランキングで世界5位にランクインしており、トップ5の中でゲームのプラットフォーマーはLINEのみという。
LINE GAMEをグローバルゲームプラットフォームとして、外部コンテンツプロバイダーとのパートナーシップを強化するため、LINE GAME Global Gatewayを設立した。日本のゲームコンテンツ開発会社およびゲームコンテンツの開発を支援するほか、LINE GAMEのプラットフォームを通じて海外への展開を支援する。予定投資規模は100億円。LINE GAME Global Gatewayの運営は、LINE Ventures株式会社が担当する。代表には、舛田氏が就任する。
「日本」の企業・コンテンツにこだわりたい
舛田氏は、ファンド設立の背景として、スマートフォン黎明期では低かったゲーム開発コストが、世界中のゲームプレイヤーが世界マーケットを狙い競争が激しくなった結果、莫大に増えた点を挙げた。また、スマートフォン市場が成熟している先進国では、資本を持ったメーカーが参入し、スタートアップがチャレンジするには難しい現状があると述べた。
さらに、日本のゲームプレイヤーは、日本から出ることができず十分に世界で戦えてないと指摘。LINE GAME Global Gatewayを通じ、資金援助とLINEプラットフォームを流通に生かして、日本のゲーム開発会社/ゲームコンテンツを世界に送り出し、支援したいと述べた。
支援は、資本提携やジョイントベンチャーも想定している。資本参加したコンテンツプロバイダーが制作したゲームを、LINE GAME上に展開する。制作したゲームは、LINE GAMEプラットフォームで展開することを基本とするが、他プラットフォームでの展開もコンテンツプロバイダーの経営判断に任せるとした。また、LINEプラットフォーム上で、スタンプやオフィシャルアカウント、フリーコイン、LINE内での露出のほか、テレビCM、オフラインのイベントなど、LINE GAMEを広げるためのさまざまなマーケティング活動でプッシュする。
最初のパートナーは「gumi」
LINE GAME Global Gatewayの最初のパートナーとしては株式会社gumiが紹介され、同社代表取締役社長の國光宏尚氏が登壇した。
國光氏は、「失われた10年と言われたのがいつの間にか20年と続いている。ベンチャーなどの新しい産業で、世界に通用するような企業が日本で生まれてこなかったのが原因」と分析。「ゲームで世界一を目指すgumiと、メッセンジャープラットフォームで世界一を目指すLINEが手を取り合い、世界を制覇し、日本を元気にしたい」と意気込みを語った。
LINEはgumiと資本業務提携を行う。出資比率は10%程度を予定。gumiはLINE GAME向けゲームを年に数本開発し、LINE GAMEプラットフォームを通じて世界に配信する。LINE GAMEはカジュアルなゲームが多いが、ユーザーの多様化を踏まえ、ミッドコア向けにも展開するとしている。