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Amazon.co.jpが「KDPアワード」を創設、第1回受賞者は高城剛氏

 Amazon.co.jpは29日、Kindleストアで電子出版するためのサービス「Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)」で、過去1年間に最も活躍した著者を表彰する「KDPアワード」の創設を発表した。初の受賞者となる「AUTHOR OF THE YEAR 2014」には、高城剛氏が選出された。

高城剛氏

 高城氏は、現在7タイトルをKDPで出版。中でも、高城氏のメールマガジンでのQ&Aコーナーを再編集した「白本」「黒本」は、2014年のKDPベストセラーになり、高い評価のカスタマーレビューが寄せられているという。

 29日に行われた授賞式で高城氏は、「今までいろいろな活動をしてきました。時には僕の職業やメディア、表現の方法自体も大きく変わってきました。電子書籍というジャンルは、まだ今は小さな子供ですが、きっと素晴らしい大人に成長すると思います。第1回というこのタイミングで選ばれたことは、何よりもたいへん光栄に、嬉しく思います。これからも、この新しいメディアに対して、真剣に取り組みたいと思っています」とコメントした。

 アマゾンジャパン株式会社のバイスプレジデントでKindle事業本部長の玉木一郎氏は、2012年10月に日本でKindle事業を開始してから2周年を迎え、出版社や著者の協力により書籍のタイトル数はスタート時の5万冊から25万冊に、コミックは1.5万冊から9万冊に拡大したと説明。今後も、今回創設したKDPアワードや、29日に開始した国立国会図書館の近代デジタルライブラリー資料をKindle本として販売する「Kindleライブラリー」といった、各種の取り組みをさらに継続していくとした。

アマゾンジャパンの玉木一郎氏と高城氏

 高城氏と玉木氏によるトークセッションでは、高城氏が「白本」「黒本」をKDPで出版した経緯を紹介。書籍にしたいと思って付き合いのある出版社に持ち込んだが、「ここを削ってほしい」「ここは変えてほしい」といった注文が多く、その時にKDPが目に止まったとして、今後も大手出版社で断られるようなものを個人で出していきたいと語った。

 また、「白本」「黒本」のQ&A形式という体裁は、ちょっとした合間に読むことの多い電子書籍には向いていると思ったと説明。“ネイティブキンドル世代”になれば、本の読み方や選び方もさらに違ってくるのではないかとして、クリエイターとしてはそれに合わせたものを提供していきたいとした。

 最後に、これから作品を作りたいと思っている人へのメッセージを問われた高城氏は、「可能性があることは絶対に否定してはいけないと思う。まずやってみればいい。自分というコンテンツは誰もが持っているので、まずそれを書き始めてみるのもいい。自分を恐れずにやってみることが肝心だと思います」とコメントした。

玉木氏と高城氏によるトークセッション

(三柳 英樹)