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エレコムの総力を結集した11ac対応フラッグシップWi-Fiルーター3機種

 エレコム株式会社は、IEEE 802.11ac/n/a/g/bに対応したハイエンドWi-Fiルーター3機種を発表した。価格(税別)は、「WRC-2533GXBK」が3万8310円、「WRC-1900GXBK」が3万1880円、「WRC-1267GXBK」が2万5450円。2016年2月発売予定。

「WRC-2533GXBK」

 3機種とも5GHz帯と2.4GHz帯の送受信アンテナを独立させた「ハイパワーアンテナ」を搭載。WRC-2533GXBKは、アンテナをそれぞれ4本搭載し、11ac時で最大1733Mbps、11n時で800Mbpsの通信が可能。また、2533のみの機能としてMU-MIMO通信やビームフォーミング機能が利用できる。

 WRC-1900GXBKは、アンテナをそれぞれ3本搭載し、11ac時で最大1300Mbps、11n時で最大600Mbps。WRC-1267GXBKは、アンテナをそれぞれ2本搭載し、11ac時で最大867Mbps、11n時で最大400Mbpsの通信が可能。11nは256QAMの実装により、通信速度を向上させている。

「WRC-1900GXBK」
「WRC-1267GXBK」

 通信速度以外の基本機能は同一で、CPUに米Qualcomm製「IPQ8062/64」を採用。Qulacomm独自のKraitコア(1.4GHz)をデュアルで搭載し、補助コアも2つ搭載したクアッドコア構成になっている。通信データを解析して利用しているアプリを特定し、動画などのストリーム速度を改善する「Qulacomm StreamBoost」が利用可能。また、豊富なCPUパワーを利用し、有線LANにおいてソフトウェアNATでも最大940Mbpsのスループットを実現している。

 本体裏にUSB 3.0ポートを搭載。外付けHDDを接続することで、メディアサーバーとして利用することができる。スマートフォン専用アプリで外出先からのコンテンツ視聴にも対応する。また、強固なSSIDやパスワードを自動生成する「かんたんSSID」機能や、2.4GHz帯と5GHz帯で空いてる帯域を自動選択する「無線LANスイスイナビ」を搭載。ゲストSSID機能、IPsec VPN機能、ウェブサイトフィルタリング機能、中継・子機モードもサポートする。

 そのほか、IoT機器やネット家電との連携を考慮し、Qualcommが主導するIoTの業界団体「AllSeen Alliance」が提供するフレームワーク「AllJoyn」をサポート。AllJoyn対応のスマート家電と接続することで、家電からの通知をスマートフォンなどで受け取ることが可能。通常のAllJoynであれば家庭内ネットワークでの通知に限定されるが、ルーターとVPN接続を行うことで、外出先での通知やリモートにも対応する。

スマート家電やIoT機器のハブとして、「AllSeen Alliance」が提供する「AllJoyn」をサポートする
CPUは米Qualcommの「IPQ8062/64」を採用
初期設定などを動画でサポートするセットアップツール「SkyLink Manager」を提供
セキュアなSSIDやパスワードを自動生成する「かんたんSSID」
そのほか、ウェブサイトフィルタリング機能などを搭載する

エレコムの開発力を集結した次世代Wi-Fiルーター

 Wi-Fiルーターの国内量販店市場のシェアでエレコムは3位で、シェアの推移では、2009年から急激な伸びを見せたが2011年以降はゆるやかな上昇にとどまっている。これまでの同社のWi-Fiルーターは、技術的な特徴よりも「スマートフォンのためのルーター」として、インターネットにシンプルに繋ぐための機能に抑えて、安定性やコスト面を考慮したラインナップを展開してきたという。

 一方、トップシェアの競合メーカーのプロダクトコンセプトは、技術的機能における優位性や多機能が中心。“打倒競合メーカー”のために、技術的な優位性の確立、「IoT」「コンテンツ」など次世代ネットワークに求められる技術の実装、高性能なハードウェアの採用、自社ファームウェア開発による技術の蓄積を掲げ、今回のハイエンドWi-Fiルーターに至ったとしている。同社では、2016年度のWi-Fiルーター市場で、シェア35%を目指すとしている。

エレコムのWi-Fiルーターにおける国内量販店市場でのシェアは3位。競合メーカーとして“名古屋のしゃちほこ”“掛川のお茶”“北陸新幹線”を挙げた
競合のトップメーカーとのプロダクトコンセプトの違い
次世代Wi-Fiルーターに必要と判断したもの
2016年度のWi-Fiルーター市場でシェア35%を目指す

(山川 晶之)