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LINE、アカウント乗っ取り対策の「PINコード」認証を廃止、機種変時などの引き継ぎ手順が変更

 LINE株式会社は3日、機種変更などにより別のスマートフォンにLINEアカウントを引き継ぐ手順を変更したと発表した。同社が1月下旬に予告していたもの。

 これまでユーザーに登録が義務付けられていた「PINコード」(4けたの暗証番号)による認証機能が廃止され、新端末側にアカウントを引き継ぐ際にPINコードを入力するステップがなくなった。

 PINコードは2014年、当時増加していたLINEアカウントの乗っ取り被害防止策として導入したもの。当初は使用するかどうかユーザーが任意に選べる機能だったが、その後、セキュリティ強化のために登録が必須化された。しかし、自分が設定したPINコードを忘れてしまうユーザーも多いらしく、別端末へのアカウント引き継ぎ時にわずらわしい手順が発生する割には、PINコード認証はセキュリティ対策としてあまり有効ではないと判断した模様だ。

 その一方で、1)機種変更後に電話番号が変わる場合、2)Facebook認証を利用していて機種を変更する場合(電話番号が変わらない場合も含む)――のいずれかに該当するユーザーに対しては、あらかじめ旧端末側で引き継ぎ操作を許可しておくステップを、PINコードに替わる認証手順として追加した。

 具体的には、LINEの設定画面に「2段階認証」の「アカウントを引き継ぐ」というオプションを追加。これをオンにした後、24時間以内に限り、新端末側からの引き継ぎ操作を進められるようになっている。

LINEの設定画面。これまでの「PINコード」の項目に替えて、「2段階認証」の「アカウントを引き継ぐ」オプションを追加した

 登録済みメールアカウント/パスワードや、電話番号/SMSなどによる認証ステップや、引き継げるデータの内容については変更はない。アカウントの引き継ぎ操作を行うだけではトーク履歴が引き継げないで削除されてしまう仕様も従来通りだ。LINE公式ブログでは、個別のトーク履歴を保存する手順なども説明している(本誌2016年1月28日付記事『LINE、違う電話番号のスマホから一方的にアカウント移管操作を行えないよう仕様変更』も参照)。

(永沢 茂)