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新gTLD、現時点で一番人気は「.xyz」、ダブルスコアで「.berlin」上回る

 知財保護分野なども含む情報サービスを手掛けるトムソン・ロイターが先週、新gTLDの登録動向についての報道関係者向け説明会を開催し、現時点で最も多く登録されている新gTLDが「.xyz」であることを報告した。

 greenSec Solutionsが公開している新gTLDの登録状況データに基づくもの。7月7日時点で新gTLDの登録件数は140万件以上に上るが、このうち「.xyz」が26万4389件で新gTLD登録件数の18.36%を占めている。2位は、地理的名称の「.berlin」(ベルリン)で13万6776件で9.50%。「.xyz」が2位に倍近い差をつけているが、「.xyz」は6月2日に一般登録の受付を開始してから瞬く間に1位に浮上したのだという。

 以下10位までは、「.club」が7万9901件(5.55%)、「.guru」が6万4462件(4.48%)、「.photography」が4万121件(2.79%)、「.email」が3万5073件(2.44%)、「.link」が3万3916件(2.36%)、「オンライン」などの意味の中国語の単語(ザイシェン)が3万3783件(2.35%)、「.today」が2万9949件(2.08%)、「.wang」が2万9675件(2.06%)。

 数百種類の新gTLDがすでに登場しているが、現状ではこれらトップ10のドメインだけで新gTLD登録件数の52%ほどを占めている。トムソン・ロイターでは、人気が集中する傾向にあると指摘し、「10年もたたないうちに淘汰されるドメインもたくさん出てくるのではないか」としている。ただし、これから一般登録を開始する新gTLDもあるほか、今後もまだまだ大量の新gTLDが登場してくるため、人気のドメインはめまぐるしく変わっていく可能性がある。

 「.xyz」の登録数が急激に伸びた理由について、トムソン・ロイターでは、文字列そのもののインパクトと登録料金の低さがあるのではないかとみている。アルファベットの最後の3文字ということで、英語圏では「最終」「究極」を意味したり、スラングで「eXamine Your Zipper(ズボンのチャック開いてますよ)」の略でもあるという。

 日本でドメイン名登録サービス「ゴンベエドメイン」を提供するインターリンクでは、「.xyz」の登録サービスを提供するにあたり、「これ以上良いものは無い究極」という意味としても使われると説明している。

 一方、GMOインターネットのドメイン名登録サービス「お名前.com」では、逆に日本人にはあまりなじみのない言葉であることから、「他の新ドメインと異なり、具体的な意味を持たないため、『.com』『.net』のように用途に縛られず利用することが可能で、さまざまなシーンで活用が期待できる自由度の高いドメイン」といった説明をしている。

 このほか日本では、「シティーハンター」に依頼するためのドメインとして活用できるのではないかと思った人も少なくない模様だ。

(永沢 茂)