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ケイマン諸島で人気の新gTLDは同諸島ならでは? 1位「.link」、2位「.sexy」

 ドメイン名なども含む知財保護分野の情報サービスを手掛けるトムソン・ロイターが、新gTLDの国別登録動向をまとめた。国によって“人気”の新gTLDがかなり異なるという。

 greenSec Solutionsが公開している新gTLDの登録状況データに基づく集計結果を、トムソン・ロイターが7月に開催した報道関係者向けの説明会で報告した。これによると、7月7日時点で新gTLDに登録されたドメイン名は世界で140万件以上。登録者の国で最も多かったのは54万8916件の米国で、全体の38.06%を占めた。次いでドイツが23万1772件(16.07%)、英国が8万3415件(5.78%)、中国が5万8972件(4.09%)、ケイマン諸島が5万1091件(3.54%)。以下、カナダ、オーストラリア、オランダ、フランス、スイス、スペインと続き、日本は12番目で1万3615件(0.94%)に入っている。

 各国で最も登録数の多かった新gTLDは、米国が「.xyz」、ドイツが「.berlin」、英国が「.email」、中国が「.wang」、ケイマン諸島が「.link」。

 トムソン・ロイターでは、英国ではビジネス用途の新gTLDの登録が多いのではないかと分析。一方、ケイマン諸島はサイバースクワッターが多いと言われている点を指摘するが、「.link」がサイバースクワッターらに人気があるのかどうかは不明だ。

 なお、ケイマン諸島での2位は「.sexy」で、以下、3位「.tattoo」、4位「.photo」、5位「.gift」と続く。これらはみな、Uniregistryという企業がレジストリとして運営する新gTLDであり、同社の所在地はケイマン諸島となっている。このほか、7位の「.pics」、8位の「.guitars」もUniregistryが運営しているもので、ケイマン諸島で多く登録されている新gTLDトップ10のうち7種類が同社の運営する新gTLDで占められているわけだ。

 参考までに、Uniregistryが運営する新gTLDとしてはこのほか、「.christmas」や「.blackfriday」という新gTLDで一般登録を受けて受けている。さらに今後、「.hiphop」「.click」「.help」などでも一般登録の受付がスタートする予定だ。

 日本の登録数トップ10は、「xyz.」「.みんな」「.nagoya」「.club」「.email」「.company」「.holdings」「.gallery」「.support」「.today」だった。また、このうちいくつかの新gTLDについて登録者の属性を見ると、日本では個人による登録が8割以上を占め、企業名義の登録が低い割合だという。トムソン・ロイターの「Reverse Whois」データベースによると、「.みんな」は85%(2552件)、「.nagoya」は83%(574件)、「.club」は84%(319件)が個人による登録だった。

 また、日本で2位の「.みんな」のように、中国、フランス、ロシア、UAEでは、現地語の文字を用いた新gTLDがランクインしており、かなり人気が高いとしている。

 なお、今回紹介したデータはあくまでも7月7日時点のものだ。このコーナーでも日々お伝えしているように、新しい新gTLDで次から次へとドメイン名登録サービスがスタートしており、人気のドメインは変動する可能性がある。実際、7月下旬からは日本で人気が出そうな「.moe」(萌え)や「.tokyo」(東京)で一般登録の受付がスタート。すでに「.tokyo」は登録数が1万5000件近くに達しており、7月7日時点での国内の全登録数を上回っている。

(永沢 茂)