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100円を笑う者は100円に泣く――ATM手数料が無料の銀行ベスト3

ATM手数料を節約すれば、何かが見えてくる

 クレジットカードや電子マネーの普及著しい昨今ではありますが、それでもまだ紙幣・硬貨の万能性は揺るぎません。立ち食いそば屋、飲み会の割り勘、屋台の縁日、コミケのサークルスペースなどなど……何かの用に備え、皆さん財布に現金を忍ばせていることでしょう。

 しかし、その現金、銀行口座から引き出すときに手数料がかかっていないでしょうか? 銀行ATMにかかる手数料は1回あたり108円前後。夜間や日曜の利用だとさらに倍になることもしばしばです。

 お金との付き合い方は人それぞれですが、筆者は「銀行ATMの利用に手数料払うくらいだったらメシの1回や2回は我慢する」タイプ。だってATMを2回使ったら、近所の喫茶店でコーヒー1回飲めちゃうわけですよ?!

無料がいいけど残高管理が面倒、回数制限もイヤ! そんなときは……

 銀行の多くは、ATMを無料で使うための特典制度を設けています。ただ、ほとんどの場合「前月の口座残高が月10万円以上のとき、○○回無料」という条件になっているので、ついうっかり条件を下回った場合、翌月に苦労してしまいます。さらにぶっちゃければ、無料回数に注意を払うこと自体、もう面倒。自分のお金を好きなときに負担なく引き出せるにこしたことはありません。

 そこで今回は、「口座残高条件なし」「利用回数制限なし(深夜・土日含む)」でATMを無料利用できる銀行をピックアップし、筆者の独断と偏見に基づくベスト3形式でご紹介します。では、どうぞ~。

第3位:ソニー銀行

http://moneykit.net/visitor/fee/
セブン銀行&イオン銀行のATMが常時無料

 ソニーグループ傘下の銀行としておなじみ。いわゆる“ネット銀行”の一角ですが、その中でもATM手数料はかなり優遇されているほうです。例えばジャパンネット銀行で無料となるのは原則として月1回だけ(預金残高が3000万円以上の方は別)。楽天銀行では残高10万円未満の場合だと無料引き出し特典がありません(口座開設直後は別条件の優遇あり)。

 これに対してソニー銀行は、セブン銀行とイオン銀行のATMを利用する限りは回数・夜間・土日などに関係なく無料。つまり、残高に関係なく、セブン-イレブンとミニストップが身近にありさえすれば、いつでも預金を手軽に引き出せることになります。ただし、ネット銀行ゆえに紙の通帳の発行はありません。その点はご注意を。

第2位:新生銀行

http://www.shinseibank.com/atm/atm_index.html
主要コンビニ&全都市銀行で引き落としが常時無料

 旧称は日本長期信用銀行。大手都市銀行ほどではありませんが、全国に支店もあります。ただし、新生銀行の真価はコンビニATMでこそ発揮されます。セブン銀行、イーネット(ファミリーマートやデイリーヤマザキなど)、ローソンATM、イオン銀行(ミニストップ)ですべて入出金手数料が無料。時間帯割増しもなければ、預金残高にも依存しません。国内主要コンビニ全社のATMが無料で利用できる安心感は、かなりのものがあります。

 加えて、全都市銀行で8~21時に出金が可能。こちらも手数料は無料です(預け入れはできません)。繁華街、しかも金曜夜だとコンビニATMに行列ができることもあるかもしれません。その場合は近くの銀行のATMに足を運べば、スムーズにお金を引き出せるかも?

 なお、新生銀行の口座も、紙の通帳の発行はありません。

第1位:ゆうちょ銀行

http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/access/atm/kj_acs_atm_index.html
郵便局内のATMが時間帯・曜日に関係なく常時無料。ファミリーマートにもATMが拡大中

 何かと身近な郵便局ですが、銀行としての実力もかなりのもの。どんな地方にいっても郵便局は駅近隣や中心市街にありますから、ATMは探しやすいでしょう。そして口座残高や曜日に関係なくATMの手数料は無料。都市部のATMであればおおむね20~21時くらいまで利用できることが多いです。

 たた、郵便局は24時間オープンではありません。そのため「日曜の23時30分にどうしても引き出したい。しかも無料で」という場合、不便があったのも事実です。ただ、その改善に向けた動きも広がっています。それが、ファミリーマートへのゆうちょ銀行ATMの設置。今まさに拡大中とのことですが、都内ターミナル駅周辺などでかなり出そろってきています。

 ファミリーマート内のゆうちょ銀行ATMでは通帳を使った引き落としができませんが、その一方でほぼ24時間利用可能というメリットがあります(23時55分~24時05分の10分は利用不可)。

まとめ~振込無料化も考慮すると条件はもう少し複雑、ボーナスを契機に考えてみよう

 いかがだったでしょうか。今回紹介した銀行は、無料で利用できるATMの絶対数こそ異なりますが、どこも口座残高を気にしなくていいのが強み。かつ、夜遅くでも日曜日でも追加手数料がかからないので、とにかく気軽に使えます。

 中でもゆうちょ銀行は、ブランド浸透度、店舗網、紙の通帳発行にも対応と、あらゆる意味でバランスがとれていると感じます。公共性が比較的強い銀行としては、ほかにもJAバンク(農協)がありますが、直営店のロケーションがどうしても偏りがちですし、コンビニ連携もやや弱め。「民業圧迫」と批判されがちなゆうちょ銀行ですが、使えるものは使うのが賢い消費者でしょう。

 ただ、銀行サービスの優劣はATM手数料がすべてではありません。例えば振込手数料。毎月1回、必ず家賃を振り込む方なら、振込先に応じて振込元の口座も変えた方が節約に繋がります。

 今回紹介したベスト3は、あくまでもATM手数料無料制度からの比較です。振込の無料制度も考慮すると、もうちょっと話は複雑になってきます。筆者イチオシのゆうちょ銀行は、いくら残高があっても振込手数料が優遇されません。ある程度まとまった貯金がある方なら別の銀行のほうが魅力的でしょう。新生銀行の場合、円普通預金の月間平均残高が100万円以上あれば、インターネットでの他行宛振込手数料が月5回まで無料になります(通常だと月1回無料)。

 世間的にはそろそろボーナスシーズンですね。買い物計画に胸踊らせるのもいいですが、無駄な出費を抑えることも大切なはず。ちょっと貯金に回して、銀行の手数料優遇特典を受けやすくするとか、お金についていろいろ考えてみてはいかがでしょうか?