電子書籍特集2013

[リンク集] 激動! 電子書籍市場

~各社のサービスを改めて確認しておこう

 2012年、楽天やAmazonが新たに電子書籍市場に参入し、またスマートフォンやタブレットの普及によって、電子書籍市場は2011年の629億円から2012年は729億円へと広がった。

 2011年までの電子書籍市場はフィーチャーフォンのサービスが主役だったが、スマートフォンやタブレットの新市場が2012年には50%を超え、ユーザーの閲覧環境もここ1~2年で大きく様変わりしている。

 楽天の参入によって電子書籍リーダー端末の価格は大きく引き下げられた形だが、すでに閲覧環境の主役はスマートデバイスに移行するなど、市場は大きく動いている。

 巨人Amazonの参入で、ライバル各社もサービス向上に余念がない。品揃えや定期購読の仕組み、本の探しやすさなども日々向上してきている。どういったサービスがあるのか、それぞれの特徴など現状がざっと把握できるよう、今回は、7月上旬時点での国内電子書籍関連のリンクを整理してお伝えする。

ハードウェア型専用リーダーで快適読書!

 電子書籍を語る上で欠かせないのが、電子書籍リーダーだ。まずは、ハードウェア型の専用リーダーと、書籍販売プラットフォームを一体展開する事業者のサービスから見ていこう。

 なお、各書籍の販売価格はサービスごとに異なる場合がある。また、いったん購入した書籍の再ダウンロード制限(期間や回数)、同時に何台までの端末で閲覧できるかも、違いがある。詳しくは各サイトのヘルプ記事などを参照してほしい。

Amazon Kindle

http://www.amazon.co.jp/b/?node=2250738051
 国内通販最大手「Amazon.co.jp」が展開する電子書籍サービス。日本語の電子書籍に限ると、品揃えは他大手サービスに比べるとやや少ないが、KDPを使った個人による自費出版本は他にない特徴だ。専用ハードウェアは電子ペーパー採用の「Kindle Paperwhite」(7980円)から液晶大画面タブレット「Kindle Fire HD 8.9」(32GBモデル 2万9800円)まで5機種をラインナップ。コンテンツはiOS、Android OS搭載端末でも利用できる。

BookLive!

http://booklive.jp/
http://direct.booklive.jp/shop/contents/top/
 凸版印刷グループの電子書店。18万点を超える品揃えはトップクラス。専用リーダーの「Lideo」(8480円)は、書籍ダウンロード用回線としてWiMAXを内蔵(回線費は無料)。Windows、Android、iOS、Windows Phoneでの読書も可能だ。クレジットカード、WebMoney、BitCash、BookLive!専用プリペイドカード、店頭決済(三省堂書店)など多彩な決済方法に対応するのも特徴のひとつ。

GALAPAGOS

http://sharpgalapagos.jp/
http://galapagosstore.com/
 シャープが運営する電子書籍サービス。書籍の品揃えも12万点弱と充実しているが、新聞や雑誌を定期購読するとプッシュ配信してくれる仕組みが特徴。対応端末はiOS、Android、Windows。Windows用ビューアアプリを提供するサービスは国内では珍しく、特徴のひとつ。子供向けのドコモ端末「スマートフォン for ジュニア SH-05E」用に、「GALAPAGOS STORE(ジュニア向け)」も2月から提供している。

Reader Store

http://ebookstore.sony.jp/
http://www.sony.jp/reader/
 ソニーが運用する電子書籍サービス。日本語のタイトルは10万冊を超える。電子ペーパー採用専用端末「RPS-T2」(9980円)のほか、Android OS、携帯ゲーム機PlayStation Vita、Android OS搭載のウォークマンからの利用にも対応する。iOSには非対応。

楽天kobo

http://kobo.rakuten.co.jp/
 楽天は、Amazonより一足早い2012年7月に専用端末「kobo」を国内市場向けに投入した。現在の端末ラインナップは、フロントライト内蔵の「kobo glo」(7980円)と、文庫本よりもさらに小さなサイズ感の「kobo mini」(6980円)で、いずれも電子ペーバーを採用する。ただし、iOSにも対応したことで、専用端末よりもスマートデバイスユーザーへターゲットをシフトしつつある。iOS、Android OS用アプリがある。

BookPlace

http://bookplace.jp/pc/storetop/storetop
 家電メーカーの東芝が独自展開する電子書籍ストア。購入した書籍はAndroid、iOSのほか、電子ペーパー採用の専用リーダー「BookPlace MONO」から閲覧できる。BookPlace MONOは単体販売が行われておらず、コミック20巻分程度とのセット販売が中心。ちなみに、東芝では「BookPlace DB50」というカラー表示のリーダーも販売していたが、サービス体系が異なるので注意しよう。

eBookJapan

http://www.ebookjapan.jp/ebj/products/ebjtab/
 マンガを中心に、13万点弱の電子書籍を揃えた電子書籍ストア。カラー液晶のAndroidタブレット「ASUS MeMO Pad ME172V」と書籍のセット販売も行っている。対応プラットフォームは、Windows、Mac、iOS、Android、Windows Mobileで、Mac OSにも対応するなどパソコンへの対応が特徴。

iBooks(iOS App サポート)

http://www.apple.com/jp/support/ios/ibooks/
 アップルの電子書籍サービス「iBooks」。開始当初と比較して、現在は日本語版書籍の取り扱いが拡大。日本語の書籍の品揃えはまだまだだが、iPadユーザーには雑誌コンテンツが人気があるようだ。iPhoneおよびiPad上のiBooksアプリ、あるいはWindows/Mac OS搭載パソコンにインストールしたiTunesから作品の検索が行える。

Google Play 書籍

https://play.google.com/store/books
 Androidプラットフォームの中心的存在であるGoogleも、電子書籍の販売に乗り出している。電子書籍は「Google Play」で購入できるが品揃えはまだまだという印象で、キーワード検索以外では本が探しにくい。iOS端末向けリーダーも公開されている。パソコンでは購入した書籍はウェブブラウザーで読む。

スマートフォンアプリで読める電子書籍サービス

 専用リーダー、特に電子ペーパー採用型端末を使っての電子読書には、これまでにない独特の味がある。一方で、数千円~1万円超の金額で専用端末を購入するよりも、手持ちのスマートフォンに無料リーダーアプリをインストールし、気軽に読みたい。そんなニーズがあるのも確かだ。ここからは、アプリベースで展開する電子書籍サービスを見ていこう。

honto 電子書籍ストア

http://honto.jp/ebook.html
 大日本印刷、NTTドコモ、丸善が出資する電子書店。「ハイブリッド型書店」を標榜しており、紙書籍の通販、一般書店とのポイント連携、電子書籍のオンライン販売を組み合わせてサービス展開している。対応端末はiOS、Android、Windows。

Yahoo!ブックストア

http://bookstore.yahoo.co.jp/
 電子書籍専門ストア。PCやスマートフォンに対応しているが、アプリだけでなく、ウェブブラウザーからも多くの機能を使えるようにしているのが特徴。iPhoneなどでアプリをインストールしなくてもウェブブラウザーで電子書籍が読める。

ニコニコ静画 電子書籍

http://seiga.nicovideo.jp/book/
 「一般ユーザーによる自由なイラスト投稿サイト」というイメージの強いニコニコ静画だが、商業ベースの電子書籍販売にも手を広げている。これまでもiOSアプリで作品を閲覧できていたが、4月にはAndroid版のリーダーアプリも公開した。

紀伊國屋書店ウェブストア 電子書籍

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/indexp.html
 大手書店チェーンの紀伊國屋では、紙書籍の通販だけでなく、電子書籍も販売中。使用するアプリの名称は「Kinoppy」で、iOS、Android、Windows、Macなどに対応する。また、ソニー製の電子ペーパー採用型リーダーからも利用可能。

TSUTAYA.com eBOOKs

http://tsutaya.com/ebooks/
 レンタルビデオ店としておなじみのツタヤでも、電子書籍ストアを運営中だ。書籍、雑誌、コミックなどの電子版を総合的に販売している。サービスにフル対応する端末はiOSとAndroid。WindowsやMacでは、購入可能/閲覧不可のジャンルがある。

三省堂 デジ本

http://www.books-sanseido.co.jp/digi-pon/
 大手書店チェーンの三省堂は、電子書籍の直接販売は行っていない。しかし、「BookLive!」と連携することで、電子書籍の購入代金を三省堂店頭で決済できるサービスを用意している。

BOOK☆WALKER

http://bookwalker.jp/
 角川書店グループ直営の電子書籍ストアだが、講談社や小学館など他の出版社による作品も取り扱う。iOSとAndroid向けのサービスが中心だが、WindowsとMac向けのリーダーもベータ版として公開している。なお、スマートフォン向けアプリは2012年末から段階的に大幅改版された。旧版からの移行手続きが必要となるケースもあるので、注意しよう。

パブリ

http://www.paburi.com/
 運営主幹は、多数の著名出版社が参画する「日本電子書籍出版社協会」。電子書籍専門ストアとなっており、iOS、Android、Windows用アプリを使うことで、作品の購入や閲覧が可能。作品の再ダウンロード期限は原則1年だが、同一IDで何らかの作品購入を行うと、さらに1年延長される。

BinB store

http://binb-store.com/
 企業向けの電子出版ソリューションなどで知られるボイジャーが運営する。かつては「Voyager Store」を展開していたが、「BinB store」へとリニューアルされた。「BinB」は「Books in Browsers」の略。その名の通り、ブラウザーだけで閲覧できることを特徴としている。iPhoneやAndroidでも、専用アプリは不要。

セブンネットショッピング 電子書籍

http://www.7netshopping.jp/dgbooks/
 大手コンビニチェーン「セブン-イレブン」系のショッピングサイト。紙書籍、雑貨などの通販だけでなく、電子書籍も取り扱う。専用アプリはiOS、Android向けにそれぞれ公開済みだ。Windowsにも対応する。

エルパカBOOKS 電子書籍

http://www.hmv.co.jp/books/ebook/
 こちらはローソンによる電子書籍サービス。対応端末はいまのところ、AndroidとWindowsのみ。今秋にはiPhone向けのサービスも開始予定という。

DMM.com 電子書籍

http://www.dmm.com/dc/book/
 CD/DVDの郵送レンタル、動画配信、FX(店頭外国為替証拠金取引)などを手がける企業。電子書籍サービスはiOS、Android、Windows、Macに対応する。なお、作品ごとにフォーマットが異なるり、端末種別によっては閲覧できない場合がある。ただし、作品購入前に確認することは可能。

電子書店パピレス

http://www.papy.co.jp/
 1995年に電子書籍サービスを開始。PCやフィーチャーフォン向けの事業が主軸だったが、スマートフォン対応も推進。iOSとAndroid用のアプリをここ1カ月ほどで連続リリースした。スマートフォンのブラウザーでの書籍閲覧は従来から可能だったが、アプリによってさらに容易に利用できるようになったという。

Digital e-hon

http://www.de-hon.ne.jp/digital/
 紙書籍の取次販売(卸売)で知られるトーハンでは、 「e-hon」の名称で書店店頭受取式の通販を行っている。「Digital e-hon」はその電子書籍版。作品の直接購入が可能だ。iOS、Android、Windowsに対応する。

どこでも読書

http://dokodoku.jp/
 エムティーアイ(旧ミュージック・シーオー・ジェーピー)から分割・独立した、モバイルブック・ジェーピーによるサービス。iOS、Android対応に対応する。フィーチャーフォン版サービスからの購入履歴引き継ぎも可能だ。

BooksV

http://booksv.fmworld.net/
 富士通が運営する電子書籍ストア。市販のAndroidはもちろん、iOS搭載機など、富士通製端末以外でも利用可能。

マガストア

http://www.magastore.jp/
 電通とヤッパが共同運営する。電子雑誌の販売を専門的に手がけている。対応端末はiOS、Android、Kindle、Windows 8/RT(ストアアプリ)など。また、オンライン接続中のPCからはブラウザー経由で閲覧できる。

Fujisan.co.jp デジタル雑誌

http://www.fujisan.co.jp/digitalmagazine.asp
 雑誌の定期購読型通販などで知られるサイトだが、電子書籍のオンライン配信も行っている。スマホではアプリを使って、PCではブラウザーを使って閲覧できる。見本誌の「タダ読み」サービスもスマホから利用可能だ。

雑誌オンライン+BOOKS

http://www.zasshi-online.com/
 名前こそ「雑誌オンライン」だが、コミックや一般書籍の販売も行っている。iOSおよびAndroid向けにリーダーアプリを公開中。なお、作品によっては、閲覧用端末が制限されている場合もあるので、詳しくは購入前にご確認を。

ブックパス

http://www.bookpass.auone.jp/
 携帯電話のau(KDDI)によるサービス。電子書籍の単品購入が可能だが、注目は「読み放題プラン」。月額590円(au携帯電話使用料、auスマートパス会員料などは別)で、雑誌や長編マンガが読み放題になる。iOS、Android対応だが、読める作品は端末によって異なる。

ソフトバンク スマートブックストア

http://www.softbank.jp/mobile/service/smartbookstore/
 iOSおよびソフトバンク製Android端末向けサービス。ウェブサイトで作品を探し、アプリで読むというのが基本的な利用スタイル。月額プラン加入者に割り当てられるポイントを使って、作品を購入していく。

ひかりTVブック

http://book.hikaritv.net/
 NTTぷららが展開するセットトップボックス型映像配信サービス「ひかりTV」。その派生サービスとして、電子書籍ストアが用意されている。絵本など、テレビに写して家族一緒に楽しめる作品もある。その他の対応端末はiOS、Android、Windows。

講談社 電書info

http://densho.kodansha.co.jp/
http://app.morningmanga.jp/
 書店や小売店だけでなく、出版社自身も電子書籍時代を見据えたさまざまな取り組みを行っている。講談社の情報サイトでは、各作品がどのストアで購入できるかをまとめて案内。また、単独アプリ形式ので作品配信も実施。週刊コミック誌「モーニング」最新号の内容を月額500円で読めるアプリなどがある。

小学館 電子書籍・アプリ

http://www.shogakukan.co.jp/digital/genre/_id_1
 小学館では、自社発刊電子書籍のまとめサイト「小学館eBooks」を運営中。ただし、作品の購入は外部サイトから行う。このほか、スマートフォン向けのコミック配信サイト、単独アプリ形式の辞書などもある。

ジャンプBOOKストア!

http://www.shonenjump.com/j/sp_jumpbookstore/
 集英社では、「ジャンプ」各誌連載コミックの閲覧に特化したスマートフォンアプリを公開中だ。iOS版とAndroid版でアカウントが共通化されているため、端末種別ごとに作品を買い直す必要がない。

まっぷるマガジンアプリ

http://www.mapple.co.jp/mapple/product/others/apri/mappleapp.html
 特定シリーズ書籍の配信に特化したアプリは、多くの出版社からリリースされている。昭文社の旅行ガイド誌「まっぷるマガジン」のアプリも代表的な例と言えるだろう。専用のアプリからは当該シリーズの書籍のみ、購入できる。

Jコミ

http://www.j-comi.jp/
 漫画家の赤松健氏が立ち上げたサービス。いわゆる電子書籍ストアとは異なり、絶版書籍の広告付き無料配信という独自路線をとっている。スマートフォンアプリからの閲覧も可能。プレミアム会員(月額105~315円)になると、表示画質向上などの特典がある。

森田 秀一