ネットで公開中の無料本「幻想の英雄」、小野田寛郎氏死去で注目を集める

　終戦後もフィリピンのルパング島で潜伏生活を続け、1974年に帰国した元陸軍少尉の小野田寛郎氏が16日に亡くなった。これに関連していま注目を集めているのが、小野田氏について書かれた「幻想の英雄」なる書籍。これは帰国後に出版された手記のゴーストライターを務めた津田信氏の子息である山田順氏がサイト上で無料公開しているもので、手記が真実ではなく脚色されていることを暴露した内容。すでに絶版になっている書籍を、親族が無料で読めるよう公開しているというわけだ。小野田氏に関してはさまざまな書籍が発刊されているが、「幻想の英雄」の内容とはかなり異なっている。ドキュメンタリーはすべて事実と思いがちだが、発表した人の視点により事実関係も異なって見えたり、あえて触れずにスルーされるエピソードがあったりするもので、こうした切り口から考察を深めてみるのもよさそうだ。ちなみに小野田氏に関しては、ともに潜伏生活を送り、帰国の数年前に地元住民との銃撃戦で射殺された部下の小塚一等兵を取り上げた「最後の戦死者 陸軍1等兵・小塚金七」なども面白い。

◇幻想の英雄・全文公開（山田順プライベートサイト）
http://junpay.sakura.ne.jp/index.php?option=com_content&view=category&id=49&Itemid=77
◇【小野田寛郎氏死去】いきなり注目を集める津田信『幻想の英雄』（Togetterまとめ）
http://togetter.com/li/618205
◇最後の戦死者 陸軍1等兵・小塚金七（Amazon.co.jp）
http://www.amazon.co.jp/dp/4309004377