シーネットネットワークスジャパンは18日、都内で「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn 次世代ウェブの検索サービスを語る」を開催した。Yahoo! JAPANやGoogleをはじめとした検索サービスの関係者らが複数出席し、次世代Web時代の検索サービスの在り方について、講演・パネルディスカッションを行なった。
米Microsoftのジェネラルマネージャー、デリック・コーネル氏による講演のタイトルは「Beginning of the Beginning for Search and Digital Marketing」。検索とオンライン広告に関する現状、そしてMicrosoftの取り組みを語った。
● 許可制コミュニティの発達~Webベースに集中するコミュニケーション
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米Microsoftのジェネラルマネージャー、デリック・コーネル氏
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コーネル氏はまず、「検索技術の革新は終わったと言われる時代があった。しかしこれには反対だ。検索クエリーの指定はまだまだ難しいし、検索結果の精度に疑問を感じておられる方も多いだろう」と発言。さらに「現在、検索用インデックスの量が世界で1PB(ペタバイト)と言われるるが、文書のデジタル化がさらに進めば、20,000PBにも達するという。人間400人分程度の知識量が、800万人分に拡大する計算だ」と補足。あらゆる観点から検索技術に発展の十分な余地があるとしている。
続いてコーネル氏は検索を取り巻くトレンドを分析した。特に現在は、ユーザーが検索サービスをカスタマイズしている傾向が強いと説明する。「ある調査によれば、約50%のユーザーがWebブラウザ起動時に開かれるページをデフォルト設定から変更している。検索用のツールバーも数万種類はある」とし、検索サービスの利用形態が多岐にわたりつつあると話す。ほかにもポップアップブロックによる広告のコントロールが一般的になったこと、RSSやPodcastingが急速に普及していることを改めて指摘した。
また、コミュニケーション機能がWebベースに集中しつつあるのも大きな特徴だ。スパムを防ぐためにメールアドレスを開示せず、メッセンジャーで代替する行為などが該当するという。コーネル氏はこれらの現象を「許可制コミュニティの発達」と表現していた。
さらにコーネル氏によれば「自己表現の充実」も大きなトピック。消費者自身がブログを通じて意見を表明することが当たり前になりつつあると言及した。「特にブログが広告と結びつくことによって、ビジネスにまで展開したことは素晴らしい」と話す。
● Windows Liveは広告プラットフォームの「始まりの始まり」
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講演中にはWindows Liveをデモンストレーション
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これらのトレンドを踏まえて開発されたのが、11月1日に米で発表された「Windows Live」だという。ページのデザインを自由にカスタマイズできるほか、RSSの取得にも対応。検索キーワードを登録しておけば最新検索結果を常に表示させることもできるポータル的なページだ。コーネル氏は「すべてのものをフルコントロールできることに注力している」と話すように、ユーザー自身があらゆるコンテンツをカスタマイズできる道を示す一例になると自信をみせた。
一方、もう1つの講演テーマである“マーケティング”についても、検索は大きな可能性をもたらすだろうとコーネル氏は語る。消費者のトレンドを読み取るための大きな力となるのが検索で、応用によっては、ユーザーが許可したコンテンツや広告だけを表示させることができるという考えだ。
またWebという広告媒体は、テレビCMなどに比べてユーザーとの平均接触時間が非常に長い点に言及。商品ブランドの認知に大きな効果を挙げつつあると誇る。最終的には「1つ1つのマーケティング施策に対する投資効果の測定という、マーケティング担当者の夢も実現できるだろう」と展望した。
最後にコーネル氏は、今後もMicrosoftとして、OSを初めとしたプラットフォームの開発、オンライン広告の積極的展開、業界各社とのパートナーシップを重視するという方向性を説明。「我々はまだBeginning of the Beginning(始まりの始まり)にいる」と語り、今後予想される技術革新の可能性に期待を寄せ、講演を締めくくった。
関連情報
■URL
Microsoft
http://www.microsoft.com/
CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn
http://japan.cnet.com/info/cjic2005a/
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( 森田秀一 )
2005/11/18 16:41
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