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米Microsoft、初の“Web 2.0的”戦略サービス「Windows Live」を発表

インターネット上のお気に入りの情報を集約して表示

 米Microsoftは1日、インターネット上の新サービス「Windows Live」と「Microsoft Office Live」を発表した。いずれもRSSに代表される、いわゆるWeb 2.0的価値観に則ったサービスであり、Microsoftがこの分野に本格的に進出しようとしていることが明確になった形だ。


Web上のお気に入りのコンテンツを集約できる「Live.com」

「Live.com」
 Windows Liveはパーソナルインターネットサービスの集合体であり、安全にWeb上の情報を利用できるようにすることをコンセプトとしている。インターネット上のサービスとして、Windows以外のプラットフォームでも動作することを強調している。

 そのWindows Liveの代表格は、今日ベータ版が発表された「Live.com」だ。これはRSSとAJAX技術をフルに活用。例えば、ユーザーが指定したニュースや天気、検索結果など、さまざまな情報源からお気に入りのコンテンツを取得し、自分用のページに集約して好みのレイアウトで表示できる。

 これにあわせて、Live.comで使用できるモジュール「Microsoft Gadgets」のサイトもリニューアルされ、開発者たちに新たなモジュール開発を呼びかけている。Gadgetsを利用すれば、MSNなどを通じて提供されるコンテンツだけでなく、FlickrなどMicrosoft以外のコンテンツも自由に利用できるようになる。

 Live.comは、英語版とともに日本語版もベータ版として公開されている。外見上はMicrosoftが実験的なサービスとして公開している次世代ポータル「Start.com」と瓜二つであり、Start.comのチームが開発に携わっているとされる。しかし、Start.comがInternet Explorer(IE)以外のブラウザでも利用できるのに対して、 Live.comは現時点でFirefoxやOperaなどIE以外のブラウザでは利用できない。


メールやメッセンジャー、IP電話もWindows Live上で対応

 そのほかのWindows Liveのサービスとしては「Windows Live Mail」がある。MSN Hotmailの新バージョンであり、現在「Hotmail BETA」としてテストされているものだ。Web上でOutlookを使っているな感覚でAJAX技術を使ってメールを操作できるようになる。

 そのほかにもインスタントメッセンジャーにファイル交換やIP電話の機能を兼ね備えた「Windows Live Messenger」や、Web上からウイルススキャンが可能な「Windows Live Safety Center」、会員制のセキュリティサービス「Windows OneCare Live」、お気に入りの内容をインターネットに保存しておく「Windows Live Favorites」などがある。こうしたWindows Liveで提供されるサービスの進捗状況については、Webサイト「Windows Live Ideas」で日本語でも情報を提供する。

 Windows Liveは当面の間ユーザーに無料で提供され、広告によって運営される。しかし将来的には会員制またはトランザクション課金を並行して提供する可能性についても言及した。MSN.comとの関係については、今後もMSN.comを提供していき、MSN.comのコンテンツを求める人々と、より柔軟に自分のページをカスタマイズしたい人向けにLive.comを提供するという棲み分けが行なわれることになる。


企業向けのホスティングサービス「Microsoft Office Live」

 Microsoft Office Liveは、企業向けのインターネットホスティングサービスだ。独立して利用することもできるが、Microsoft Office製品と統合して利用することが可能となっている。

 まず、「Office Live Basics」はドメイン名取得、30MBのWebサイト、メールアカウント、WYSIWIG方式のWebデザイン製品、アクセス解析サービスを広告ベースで無料で提供する。「Microsoft Office Live Essentials」は有料の会員制サービスで、Basicのサービスにに加えてOffice製品とも連動させることができる。さらに上位サービスの「Microsoft Office Live Collaboration」では顧客管理、プロジェクト管理、ドキュメント管理などより高度な企業向けサービスが提供される。

 これらのOffice Liveサービスは2006年初頭に米国のみで招待制ベータテストが行なわれる予定だ。

 Windows LiveやOffice Liveでは、Microsoftの戦略上、広告がますます重要な位置を占めてくる。そのために同社では、テスト中の広告ネットワーク「MSN adCenter」をさらに強化していくことも強調している。また、将来的にはこの広告ネットワークをパートナー企業にも提供し、IPテレビや携帯電話など新しいメディア、新しいオーディエンスに対して提供するシナリオも視野に入れていることも言及している。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/nov05/11-01PreviewSoftwareBasedPR.mspx
  Live.com
  http://www.live.com/
  Windows Live Ideas
  http://ideas.live.com/

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/11/02 13:44

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