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DVTSの歴史
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DVTSコンソーシアムの会員数の推移
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DVTS(Digital Video Transport System)の普及を目指す産学協同の「DVTSコンソーシアム」が14日、4回目となるワークショップを東京都内で開催した。「コミュニケーションインフラとしてのDVTSの新しい方向性」と題して、DVTSの動向や活用事例などを紹介した。
DVTSは、高画質の動画をIPネットワーク上で配信するためのアプリケーションで、フリーソフトも一般に公開されている。DV(Digital Video)形式の動画を圧縮せずに配信するため、広い帯域が必要になる反面、DVカメラをIEEE 1394経由でPCに接続することで、特別なエンコーダ/デコーダ機器を用いることなく簡単に送受信できるのが特徴だ。RFCとしても標準化済みで、最近ではより高画質なHD(High Definition)形式にも対応している。
1998年にWIDEプロジェクトによって開発が始まり、2002年10月、慶應義塾大学SFC研究所が運営するDVTSコンソーシアムが発足した。初年度の会員は企業が10社、学術研究機関が11組織だったが、4期目となる現在は企業が12社、学術研究機関が48組織にまで拡大した。特に学術研究機関については、半分の24組織が海外の機関で占めている。
なお、会員としては慶應義塾大学をはじめとする国内外の大学および研究室、Internet2、NTTコミュニケーションズや東京エレクトロン、日本ビクターなどの企業が名を連ねている。
● DVTSはエバンジェリストの役目を終え、パブリックドメインに
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慶應義塾大学環境情報学部の中村修教授
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今回のワークショップでは当初、コンソーシアムの代表を務める慶應義塾大学環境情報学部の村井純教授による講演を、北京の「IPv6サミット」の会場からDVTSで中継する予定だったが、ネットワークのコネクティビティを確保できないとの理由により中止された。代わって同学部の中村修教授が講演し、DVTSの今後の方向性について語った。
中村教授によると、DVTSは1998年の開発当初からこれまで、遅延が少なく、高画質の映像を配信できる点で有用だとされてきた。その一方で2005年ごろからは映像の圧縮技術の開発が進み、HD映像をIPで送る技術も進展したことから、「MPEG-2 TSやH.264など、圧縮技術を使って高画質な映像を効率よくインターネットで送れるようになってくる」という。すなわち、DVTSでなくとも高画質で配信できるようになるわけだ。
そのような状況の変化の中で、「インターネット上で高画質の映像を送るというエバンジェリストとしてのDVTSの役目は、ある意味、終わった」。中村教授は、今後のDVTSにとって重要なのは「パブリックドメイン的なソフトや、誰でもタダで使える、高画質を扱えるソフトをこれからも提供すること」だと強調する。
中村教授がこう説明する背景には、例え高画質な映像を効率よく圧縮できるとしても、MPEG-2 TSのデコーダはライセンスの制約があり、H.264ではチップでしか処理できなくないといった事情があるからだという。MPEG-2 TSやH.264では「いい製品は出てくるかもしれないが、誰もが自由に使って、ちょっと機能を追加して新しいことをしようということは難しい」。
このような背景を踏まえ、中村教授は、DVTSが今後1、2年間にやらなければならないのは「ソースコードレベルで世界中の人に提供し、それをベースに新しい研究が生まれてくるような基盤を作ることではないか」という。Internet2や米国の大学が多くコンソーシアムに参加しているのも、そういった点に大きな意味を見出しているからだと指摘する。HDのDVTSについても、そろそろコードも公開したいとコメントした。
DVTSコンソーシアムとしての第4期の共同研究は、今秋でいったん終わる方向だという。その後の展開について中村教授は、従来よりも学術寄りの方向性を示唆した。「我々はあくまでもソースコードレベルでソフトをどんどん出して使えるものを作り、それをベースに我々はネットワークの研究をする。映像の研究者もそれを使える。もちろん、それを使って商品にするのもかまわない。もっと学術・研究のベースとなるようなソフトウェアパッケージとして、舵を取らなければならないのかもしれないと思っている」と述べた。
関連情報
■URL
DVTSコンソーシアム
http://www.dvts.jp/
関連記事:DVTSの普及へ向けてコンソーシアム発足
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1205/dvts.htm
■関連記事
・ DVTSコンソーシアムの第3回ワークショップ、慶應大学の村井教授が講演(2004/12/09)
( 永沢 茂 )
2006/04/17 16:55
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