10月16日・17日に開催された「g-Contents WORLD 2006」の講演で、マイクロソフト戦略技術室室長の佐野勝大氏は、米国で提供している「Microsoft Virtual Earth」と「Windows Live Local」の機能や活用事例を紹介した。
● 「Virtual Earth」を活用した不動産サイトでは、物件の日当たりまでわかる
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マイクロソフト戦略技術室室長の佐野勝大氏
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Virtual Earthは、地図情報、衛星写真、斜め45度の上空からの鳥瞰写真(Bird's eye view)を提供している地図情報プラットフォームだ。Microsoftは米国で「MapPoint」という地図サービスを扱っており、これをベースにVirtual Earthが提供されている。
Virtual Earthの特徴として佐野氏は、APIを公開しているため、ビジネス向け/個人向けアプリケーション/サービスでマッシュアップして利用できることを挙げる。SDKもオンラインで提供しており、個人向けには無償、ビジネス向けには有償のライセンス体系を用意している。
ビジネス向けでの活用事例として、佐野氏は、米国の不動産会社が試験的に提供しているサイトを紹介した。物件情報を地図上にマッピングしたり、検索した物件の場所やサムネイルを表示できるのはもちろん、「45度の航空写真による俯瞰図により、目的の物件の周辺に何が建っていて、日当たりがいいのか悪いのか、周辺にどういう施設があるのかもチェックできる」。
さらに広い範囲で周辺情報を検索して近隣の施設の有無を確認したり、不動産会社の店舗までの自動車ルート検索やナビゲーションサービスも用意している。このように各種サービスと連動しているのもVirtual Earthの特徴だとした。
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米国の不動産会社がVirtual Earthを使って試験的に提供しているサイト
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斜め45度上空からのBird's eye viewにより、物件の周囲の情報がわかると説明
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● 「Windows Live Local」では、リアルタイムな渋滞情報も提供
一方のWindows Live Localは、検索した店舗などを地図の上で確認できる、地域情報を含めたサービスだ。目的地周辺の航空写真に道路情報などをオーバーレイ表示できるため、「『この通りのこの辺りに目的の店がある』というように、見た目に近い状況でポインティングしてくれる」。また、ビルなどは「真上から見られる人はめったにいない」が、45度の航空写真で表示すれば、目的地のビルの外観もわかるとしている。
自分が行った場所などにコメントを付けて情報を保存・共有できる「プッシュピン機能」も備えている。例えば待ち合わせの場所のプッシュピンを作成して、それをWindows Live Messengerで友人と共有することも可能だ。
このほか、自動車ルート検索や渋滞などのリアルタイムの交通情報も提供。さらに、Webサイト上だけでなく、Outlookのアドオンとして使用し、スケジュールと連動して地図情報が動くようなサービスもあるという。
なお、講演時点ではこれら2つのサービスは日本では未提供だったが、Windows Live Localについては、検索サービス「Live Search」日本語版の中の地図検索機能として11月7日にベータ提供を開始した。ただ残念ながら、斜め45度の上空からのBird's eye viewは今のところ日本版では用意されていない。
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Windows Live LocalでもBird's eye viewを提供している
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Windows Live Messenger上で友人と地図画面を共有することも可能だ
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関連情報
■URL
Microsoft Virtual Earth(英文)
http://www.microsoft.com/virtualearth/
「Live Search」日本語版 地図検索
http://maps.live.com/
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( 永沢 茂 )
2006/11/14 19:12
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