5月24日から27日まで開催する「技研公開2007」では、番組を「作る」「送る」「使う」技術に分けて最新技術を紹介する。「使う」では、ユビキタス時代のコンテンツ流通技術や、視覚障害者向けのマルチメディア受信提示システムなどを展示する。
● IDを用いた個人情報保護と視聴データ収集を実現
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視聴者情報保護技術の概要
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コンテンツ共有技術の概要
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ユビキタス時代のコンテンツ流通技術では、「視聴者情報保護・認証」「家庭でのコンテンツ共有技術」を紹介。携帯端末で安全に放送を楽しむための個人情報保護とコンテンツ共有方法を提案する。
視聴者情報保護・認証は、B2B2Cモデルにおいて、放送局が視聴者情報を管理し、コンテンツの視聴制御を可能にしたもの。従来、放送局は配信事業者にコンテンツや視聴者情報の管理をまかせていたが、放送局が管理することで、視聴者の趣味趣向をコンテンツに反映できる。
視聴者が見たい番組のリクエストを行なうと、配信事業者でIDを変換した後、放送局へ送る。放送局側でIDが認証されれば、配信事業者からコンテンツが送信される。配信事業者と放送局は連携IDでユーザーを管理するため、IDが漏洩した場合でも個人を特定することはできない。
家庭でのコンテンツ共有技術は、あらかじめ登録した端末のみでコンテンツを視聴可能にするもの。PCへダウンロードしたコンテンツには「コンテンツ鍵」が付与されており、PCで共有登録した端末にはコンテンツ鍵に加え「ドメイン鍵」が付与される。視聴する際は、まずドメイン鍵で端末を認証する仕組みだ。
視覚障害者向けのマルチメディア受信提示システムでは、「データ変換技術」「ユーザーに適した情報提示とインターフェイス」を紹介。データ変換部では、データ放送やWebなど、異なる媒体の情報を構造化、統一言語にし、共通APIを生成する。さらに、コンテンツをユーザーに提示するシステムで、障害の程度に応じたデバイスへの出力を可能にする。例えば、弱視者向けに画面の拡大・色変更を行なうほか、点字用の機器などにも対応できる。
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連携IDによる管理画面
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PCでコンテンツをダウンロード。端末の登録管理も行なう
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共有する端末の例
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データ変換の概要
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デバイスに出力するシステムの概要
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対応するデバイスの例
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関連情報
■URL
技研公開2007
http://www.nhk.or.jp/strl/open2007/
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・ NHKの技研公開、スーパーハイビジョンやオンデマンド配信を展示(2007/05/22)
( 野津 誠 )
2007/05/23 19:38
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