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「Interop Tokyo 2009」展示会が開幕、今年はひろゆき氏の講演も
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Linden Lab技術責任者が「Second Life」のバックエンドを語る


 デジタルハリウッドは12日、「Second Life」を運営する米Linden LabのIT基盤部門責任者であるイアン・ウィルクス氏による講演を開催した。「Second Lifeの技術的問題解決と技術革新への挑戦」と題し、Second Lifeのサーバー運用について語った。


ユーザーの作ったコンテンツは延べ200TB

 ウィルクス氏は、Linden Lab設立メンバーとして、Second Lifeを構築するサーバーの技術開発に携わってきた。「Second Lifeは、当初からゲームを作るのではなく、いろいろな物が入ってくる複雑な世界になるだろうと思っていた」と話す。

 「開発においては、Second Life内でユーザーが物を作り、それにより世界が変化していくこと、スクリプトをベースに展開していくこと、自然界の物理法則に従った空間であることを念頭に置いていた。」

 また、2007年の状況については、スクリプトを動かし、物理法則をコントロールするシミュレータ(SIM)サーバーが17,600台、これまでにユーザーが生成したコンテンツの容量は200TBで、15億ファイルにのぼるという。また、3,000万のスクリプトが同時に走っているとのことだ。


米Linden Labのイアン・ウィルクス氏 Second Lifeのプロトタイプである「Linden World」

システムが複雑化して信頼性に問題

 ウィルクス氏は、Second Lifeプロトタイプ開発時のサーバー構成を説明。当初はシンプルな作りで十分だと思っていたが、公開してまもなく問題が出たという。「アカウントやマネートランザクションなどのユーザーデータを保存する場所が重要になってきた」。

 状況に応じてシステムを拡充していったが、同時にシステムの構成が複雑化。「元々はシンプルプランで進めていたものの、結局、環境の変化により、ボトルネックが増え、信頼性の問題も出てきた」という。そこで、まずはスケーラビリティから着手し、改善を図った。

 また、データベースを増やしたが、Second Life内はデータの更新が速く、バックアップも従来の方法では間に合わなくなったという。「拡張性は確保できたが、信頼性の問題が大きくなった」とのこと。次に、複雑になったシステムを改善するため、データベースとやりとりするデータサーバー、およびSIMの位置を司るスペースサーバーなどをWebサービスに切り替えた。


Second Life構想時のシステム計画 2002年の状態 2004年の状態

2006年の状態 2007年の状態 2008年の状態

バーチャルワールドの共有が重要

 ウィルクス氏は、「1つの会社が1つの世界を展開しているだけではなく、異なる世界が多く存在した方が面白い。さらに、それらの世界にあるサービスを共有し、世界を自由に移動できることが重要」と述べ、その方法を解説した。

 バーチャルワールドのシステムを、アバターなどを管理するユーザーデータ部分と、土地などを管理する空間データ部分に分けることで、各サービスのユーザーが自分のアカウントで他の3D仮想空間にも行くことが可能になるという。「Web APIを利用することで実現できるが、時間はかかるだろう。」

 最後に、今後のSecond Lifeについては、「現在は旧態依然のシステムから、よりモダンなシステムになった。システムに問題があり、Second Lifeにログインできない時間を少なくしていくため、今後も随時改善していきたい」とコメント。加えて、「バーチャルワールドは、オンラインゲームではなく、未来の必然だと考える」と語った。


3D仮想空間の共有方法 他の3D仮想空間と相互乗り入れが可能に

関連情報

URL
  Second Life
  http://jp.secondlife.com/
  セカンドライフ・トレーニング講座
  http://www.dhw.co.jp/sl/

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( 野津 誠 )
2008/03/13 15:53

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