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高速ダウンロードサービス
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NHK放送技術研究所(NHK技研)にて、5月22日から25日まで開催中の「技研公開2008」では、2011年以降に利用可能となる「高度BSデジタル放送システム」を見据えたサービスを展示している。
高度BSデジタル放送システムとは、BSアナログ放送の終了後に開放されるチャンネルを使用したもので、大容量伝送も可能となる方式。スーパーハイビジョンもこの方式を利用することが考えられている。
1階の「放送メディアの開拓」ゾーンでは、高度BSデジタル放送システムを利用した番組の「高速ダウンロードサービス」を展示している。予約した番組をダウンロードして視聴するものだ。課金方式を想定している。
高速ダウンロードサービスでは、通常の放送とは別に割り当てられた帯域を使ってコンテンツを配信する。コンテンツは編成スケジュールに沿って配信されるため、見たい番組を予約しておけば、指定時間にダウンロードされる。
ダウンロード所要時間は、コンテンツ実時間の最大10倍速程度になるという。「すべての視聴者へ一律に70Mbpsでコンテンツを配信できるため、ダウンロードの時間も決められ、時間編成による配信を実現している。ユーザーごとに速度の異なるインターネットでは不可能なサービス」(説明員)。
また、同じ番組を携帯端末向けにも同時配信する。あらかじめ用意されたファイルであるため、ダウンロードしたものを携帯向けに再エンコードする手間がない。なお、高速ダウンロードサービスの商用化に関しては、高度BSデジタル放送システムが実現する2011年以降となる。
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放送局側の配信スケジューラ
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衛星経由で番組をダウンロード
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地下1階の「ユースフル・ユニバーサルサービス」ゾーンでは、高度BSデジタル放送システムで実現する「インタラクティブ放送のプラットフォーム」を展示している。Javaを用いたデータ放送で、さまざまな受信端末に対応できる点が特徴だ。
UPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)に基づくホームネットワーク対応機器を自動的に発見し、データ放送を視聴する際に利用できる。デモでは、Javaで作成したデータ放送コンテンツを展示。相撲番組の視点カメラ切り替えをゲームのコントローラーで行なえた。
また、Javaを利用することで、データ放送画面のボタン配置や文字の大きさを視聴者が切り替えられるようになる。これにより、文字の大きさに応じてボタンの配置を変えることが可能だ。「汎用性の高いJavaによって、コンテンツに応じた機器が利用できるようになり、より柔軟な視聴スタイルが実現する」(説明員)。
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Javaデータ放送の拡張機能
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データ放送の視点切り替え機能
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Javaデータ放送受信機のデモ
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UPnP対応機器をデータ放送で利用可能
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関連情報
■URL
技研公開2008
http://www.nhk.or.jp/strl/open2008/
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( 野津 誠 )
2008/05/22 11:34
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