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イベントレポート
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【 2009/06/11 】
アナログ停波後の周波数帯域を利用したマルチメディアサービス
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UQ Com田中社長、高速&オープン志向「UQ WiMAX」のメリット語る
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主催者企画コーナーでは「ServersMan@iPhone」のデモも
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国内初のデジタルサイネージ展示会、裸眼で見られる3D映像など
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【 2009/06/10 】
CO2排出量が都内最多の地域、東大工学部のグリーンプロジェクト
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IPv4アドレス枯渇で「Google マップ」が“虫食い”に!?
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「Interop Tokyo 2009」展示会が開幕、今年はひろゆき氏の講演も
[14:53]

IPv4の枯渇は2010~2012年、IPv6導入に向けた課題とは


 財団法人インターネット協会IPv6ディプロメント委員会の主催によるイベント「IPv6 Summit 2009」が27日、横浜・日吉の慶應義塾日吉キャンパス協生館で開催された。講演では、IPv4アドレスの枯渇状況と、NTT東西のNGNサービスにおけるIPv6対応についての発表が行われた。


「再利用などでも需要は賄えない、本質的対策はIPv6への移行」JPNIC前村氏

JPNICの前村昌紀氏
 日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)インターネット推進部長の前村昌紀氏は、「IPv4アドレスの在庫が本当に無くなるのかという質問は良く受けるが、やはり『はい』と言わざるを得ない」として、IPv4アドレスの在庫は2010年から2012年までに無くなる見込みだと説明。また、割り当て済みIPv4アドレスの再利用についても施策が進められているが、それにより利用可能となるIPv4アドレスでは需要を賄えないという見通しを示し、結局はIPv6への移行が解決策になると訴えた。

 現時点でも既に、IPv4アドレス空間のうち未利用の「/8」ブロック(IPアドレス約1677万個分)は、30個しか残されていない。2004年以降、IPアドレスを管理するIANAからは1年に10個程度の/8ブロックが分配されており、このペースで行けばあと3年で在庫が無くなるという見通しとなっている。

 一方で、インターネットの黎明期には米国の大企業に対して/8ブロックを割り当てており、こうした歴史的経緯のIPアドレスを効率的に再利用すれば、枯渇を遅らせることができるのではないかといった意見もある。これについて前村氏は、「現在の需要ペースを賄うにはほど遠い」と説明。こうした歴史的経緯の/8ブロックは40個ほどあるが、返却してもらう企業側でアドレスの整理や付け替えが必要となり、「半分の組織が半分返してくれたとしても10個分。現在の需要の1年分にしかならない」と語った。

 また、IPアドレスの保持者間での譲渡を可能とすることで、効率的な利用を促進しようとする取り組みについても準備が進められているが、APNICでは検討が十分でないとして理事会が再議論を求めるなど、導入に向けては懸念の声もあるという。

 前村氏は、「IPv4アドレスが『どこからか出てくる』のはあてにしない方がいいし、NATが長持ちすることもない。いずれはIPv6が必要」だとして、本質的対策はIPv6の導入だと説明。ただし、IPv6の導入には少なくとも短期的にコストがかかり、ベンダーにもノウハウがないなど、業界全体が「お見合い」状態になっているとして、これを打破するためには業界全体の強調活動が必要だとした。


IPv4アドレス空間の現在の利用状況。未利用の/8ブロックはあと30個 2004年以降は毎年10個程度の/8ブロックが分配されている

分配済みのIPv4アドレスを再利用しても需要は賄えないという IPアドレスの移転(譲渡)についても議論が進められている

NGN利用のIPv6接続サービスは2011年4月から

JAIPAのNGN-WG主査を務めるニフティの木村孝氏
 日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)のNGN-WG主査を務めるニフティ経営補佐室担当部長の木村孝氏は、NTT東西の次世代ネットワーク(NGN)を利用したIPv6サービスの提供について解説した。

 NTT東西が提供しているフレッツサービスでは、NTT東西自身はフレッツ網内に閉じたサービスのみを提供し、インターネット接続サービスは他のISPが提供する形となっている。こうしたネットワーク形態のため、NTT東西とISPの両方でIPv6アドレスを利用しようとすると、端末に2つのIPv6アドレスが割り当てられることから、インターネットへの接続に障害が起こる「IPv6マルチプレフィックス問題」が未解決の問題となっていた。

 NGNサービスもフレッツサービスと同様のネットワーク形態のため、現状ではISPがNGNを利用したIPv6接続サービスを提供しようとすると、同様の問題が発生してしまう。こうしたことから、総務省ではNTT東西に対して、「NTT東西はIPv4からIPv6への移行に伴う諸課題について、ISP事業者等との積極的な協議を行う」ことをNGNの認可条件として指示。これにより、2008年4月から、JAIPAがNTT東西と協議を行ってきた。

 協議は2008年夏には結論を出す予定だったが、決着は年末まで持ち越された。協議の結論としては、NGNを利用したIPv6接続方式として、ISPとユーザー間をトンネリング技術により接続する「案1」と「案2」(2案の違いはトンネルの構築主体)、NGNとインターネットを直接接続する「案3」、NGNと最大3社までのISPを接続する「案4」の4案が示され、このうちISPから要望があった「案2」「案4」が採用されたという。

 NTT東西ではこの案に沿って5月に総務省に認可申請を行っており、2011年4月にはこの方式でISPがNGNを利用したIPv6サービスを提供できる予定となっている。ただし、現時点ではこの対応はNGNのみとなっているため、他のサービスでのIPv6接続がどうなるかは決まっていない。

 木村氏は、「Bフレッツは将来的にNGNに統合される予定だが、フレッツADSLの対応がどうなるかは未定。さらに、ADSL事業者や他のキャリア、ケーブルテレビ事業者などの対応、既存のIPv4ユーザーへのIPv6サービス提供の検討もこれからだ」と説明。ADSLはIPv4のままで残り続けるといった状況を想定すると、ISP側にはIPv4とIPv6のサービスが混在する環境への対応が迫られるだろうとした。


IPv6マルチプレフィックス問題はフレッツサービスから発生 IPv6マルチプレフィックス問題の概要

「案2」として示されたトンネル方式 「案4」として示されたネイティブ方式

関連情報

URL
  IPv6 Summit 2009
  http://www.iajapan.org/ipv6/summit/2009.html

関連記事
NTT東西、NGNでのIPv6接続機能提供に向け約款変更申請(2009/05/25)


( 三柳英樹 )
2009/05/28 10:57

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