インターネットを中心とした情報通信や放送の実態について統計データをとりまとめた2006年の「情報通信白書」が7月4日に総務省から公表された。INTERNET Watchでは、その内容の一部を4回にわたって紹介する。まず今回は、日本のインターネット世帯普及率や利用人口などについてとりあげる。
● 移動端末のネット利用者がPCを逆転、大半はPCと移動端末を併用
インターネット利用率などについては、2006年1月に総務省が実施した「通信利用動向調査」の結果から、2005年の日本のインターネット利用人口は約8,529万人(前年比581万人増)、世帯利用人口普及率は66.8%と推定している。
インターネットに接続するための利用端末は、PCの利用者が6,601万人、携帯電話やPHSなどの移動端末の利用者が6,923万人、ゲーム機・テレビ等からの利用者が163万人。2000年からの調査で初めて、移動端末の利用者数がPCの利用者数を上回った。内訳では、PCと移動端末を併用しているユーザーが4,862万人と大半を占めている。
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インターネット利用人口および人口普及率
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インターネット利用端末の種類
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● DSLからFTTHへの移行が進行中
2005年末のブロードバンド回線の契約数は約2,330万件(前年比19.1%増)。内訳は、DSLが1,452万件(前年比6.2%増)、FTTHが546万件(同88.4%増)、CATVインターネットが331万件(同11.8%増)などで、FTTHの契約数が急増している。
ブロードバンド回線の加入可能世帯(申し込めば利用できる世帯)は、DSLが4,700万世帯、FTTHが4,020万世帯、CATVインターネットが3,430万世帯。政府のe-Japan戦略で「2005年までに3,000万世帯が高速インターネットアクセス網に接続可能」とした目標を達成した。ただし、加入可能世帯に占める実際の契約数の割合は、DSLが30.9%、FTTHが13.6%、CATVインターネットが9.7%に止まっている。
自宅のPCからインターネットを利用している世帯に対し、接続回線の変更予定を尋ねたアンケートでは、「変更の予定がある」「変更するかどうか検討中」と答えた世帯は23.9%。変更を予定している回線はFTTHが80.5%と圧倒的多数を占めている。また、四半期ごとのDSLとFTTHの契約純増数でも、2005年1~3月期からFTTHの純増数がADSLを上回り続けており、2005年10~12月期ではDSLの契約純増数17万5,000件に対し、FTTHの契約純増数は65万9,000件に達している。
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ブロードバンド契約数の推移
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左:回線変更予定の有無、右:変更を予定している回線(複数回答)
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関連情報
■URL
情報通信統計データベース「情報通信白書」
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/whitepaper01.html
■関連記事
・ 総務省、2006年の「情報通信白書」を公表(2006/07/04)
・ 移動端末からのネット利用がPCを逆転、総務省調査(2006/05/19)
( 三柳英樹 )
2006/07/11 10:54
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