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ネットが新しいデスクトップになる! 仕事に使えるGoogle入門
第1回:Gmail 基本編


第1回 Gmail 基本編

 GoogleのWeb検索を利用したことがない、というINTERNET Watch読者の方はまずいないと思うが、Googleが提供している他の諸々のサービス――Gmail、Googleドキュメントなどについては、ID取得が必要となることもあり、サービスの存在は以前から知っているものの、きっかけがなくて使ったことがない、という方も多いだろう。

 本連載では、数あるGoogleサービスの中から、仕事に役立つサービスを取り上げ、その使い方と、サービスを活用した、新しい仕事のスタイルを紹介していく。ちょっと使ってみようかな、というきっかけになれば幸いに思う。


Webメールの枠を超えた高機能メール「Gmail」

 Webメール「Gmail」は、フリーメールサービスでありながら、2004年にベータ版として登場した(現在もベータ版だが)際には、それまでの「Webメール」はもとより「メールソフト」の概念をもひっくり返すような、大きなインパクトを持ったサービスだった。その特長をおさらいしてみよう。

1:Webメールなのにローカルアプリケーションのような快適な操作性

 Ajaxを駆使して快適・高速な操作性を実現。それまでの「(ローカルの)アプリケーションより操作性は劣るけど、Webだから端末を選ばずに使えるのが便利だよね」というWebメールのイメージを根本から変えた。つまり、ローカルのアプリケーション並みの操作性と、Webならではの便利さを兼ね備えている。


2:5GBを超え、どんどん増え続ける大容量メールボックス

 サービス開始当初のGmailは、メールボックスの容量が1GB。「ユーザーが使い続けてもメールを整理(削除)する必要がない容量を提供する」ということで拡大を続け、2008年4月時点では6GBを超え7GBに迫っている。それまでせいぜい100MB単位での提供しかなかった他社のWebメールサービスは、Gmail対抗のためにGB単位での容量提供を始めるようになった。また、livedoor、auなど一部のポータルはGmailのホスティングに切り替えてしまった。


3:「ラベル」、「スレッド」、「スター」など独自の概念

 メールソフトのメール整理方法といえば、手動または自動で「フォルダ」に振り分けて整理する、という方法が定番だ。ところがGmailでは、フォルダの代わりに、ソーシャルブックマークサービスや写真の管理ソフトで使われている「タグ」の概念に近い「ラベル」というシステムを導入している。フォルダでは1つのメールは1つのフォルダにしか対応できないのに対し、ラベルは1つのメールに複数付けられるという特徴を持つ。

 また、メールは全て「受信ボックス」に並び、連続したやりとりのメールは「スレッド」としてまとめて表示される。そして、重要なメールには「スター」を付け、対応が必要ないものは「アーカイブ」にしまう、といったメールの管理をする。また、Web検索のGoogleらしく、メールの検索が非常に高速で高機能だ。

 こうした独自の概念による整理方法は、大量のメールを短時間で処理するのに向いている。これが愛用者に支持されている一方で、とっつきにくいと感じて敬遠する人もいるようだ。今回は、こうしたGmail独自のメールの整理方法について、詳しく見ていこう。


4:優秀なスパムフィルター

 Gmailの搭載しているスパムフィルターは非常に評価が高く、スパムメールのフィルタリングのためにGmailを利用している、というユーザーも少なくない。Gmail以外のメールアドレスでも、メールをGmailのアドレスに転送する設定を行なうことで、スパムフィルターが利用できるのだ。この場合、転送したGmailアドレスあてのメールはWebメールとしてブラウザで読み込むだけでなく、POPやIMAPでメールソフトから読み出すこともできる。


Gmailを使うには

 サービス開始当初のGmailは既存ユーザーからの招待がないと利用できなかったが、現在は誰でもすぐに利用できる。

 まずはアカウントを作成しよう。すでにGoogleアカウントがあれば、それでログインすればよい。また、Gmailアカウントを新規作成した場合は、Googleアカウントとして他のGoogleのサービスでも利用できるようになる。


Gmailのサイト(http://mail.google.com/)にアクセスし、[Gmailアカウント登録]をクリック。既にGoogleアカウントを持っている場合は、ログインフォームからログインしてアカウントを作成する 名前や希望ユーザー名などを入力し、Gmailアカウントを作成する

重要なメールに「スター」をつけて、それ以外は「アーカイブ」しよう

 アカウントの作成が完了すると、すぐにGmailを利用できる。Gmailのメイン画面では「受信トレイ」が表示されていて、基本的にはここにあるメールを読んだり、返信を書いたりする。それ以外のメールは「アーカイブ」に片付けられる。


Gmailのメイン画面。画面左は基本のメニュー(メールを作成、連絡先など)とラベル(受信トレイ、送信済みメール、迷惑メールなど)と未読数。右にはメールの一覧が表示される

 受信メールには読んだり返信を書いたりする必要があるメールだけを置いて、それ以外のメールはどんどん「アーカイブ」に片付けてしまうのが、Gmailの基本的な使い方だ。まず、メールを次のような4タイプに分けて考えてみよう。


A:返信を書けば用件が終了する、または読めば用件が終了するメール

 すぐ読んで返信を書き、「アーカイブ」に片付ける。


B:すぐには返信を書けない、または後から読み返す必要があるメール

 読んだあと、用件が終了するまで受信トレイに保存しておく。大事なメールの目印として「スター」を付けておくとよい。


C:保存しておきたいが、すぐには読む必要がないメール

 読まずに「アーカイブ」に片付けてしまうのがよい。

D:保存しておく必要もない迷惑メール

 読まずに「迷惑メール」に移動させる。


 こうした分類を頭の中でやりながら、次のような手順で操作してみよう。

1:受信トレイにある迷惑メール[D]を[迷惑メールを報告]で処理
2:[A]、[B]に相当するメールを読み、返信を書く
3:[B]に相当するメールにスターを付ける
4:[A]、[C]に相当するメールを「アーカイブ」に送る

 [C]と[B]の処理は「フィルタ」機能によって自動化もできる。自動化の方法は次回に解説しよう。


迷惑メールにチェックを付けて[迷惑メールを報告]をクリックすると「迷惑メール」に移動する。同時にGmailのスパムフィルタが学習し、今後、同様のメールは自動的に「迷惑メール」に送られるようになる すぐに読むべきメールを読む。メールのタイトルをクリックすると本文が開く

返信を書くべきメールはその場で返信。メールを読んでいるときに[返信]をクリックすると、その場で返信の入力フォームが開く 重要なメールにはスターを付ける。チェックボックスの右にある[☆]をクリックすると、黄色いスターが表示される

[スターなし]をクリックすると、スターの付いていないメールすべてがチェックされる [アーカイブ]をクリックすると、チェックのついたメールがまとめて「アーカイブ」に送られる。こうすれば「スターを付けた重要なメール以外をアーカイブに送る」という作業が2クリックで片付く。「アーカイブ」に送られたメールは「すべてのメール」から見ることができる

メールを送信する

 [メールを作成]をクリックすると、メール作成画面に切り替わる。宛先を入力するときには、これまでメールを送ったことのある相手が自動的に「連絡先」に登録されていて、オートコンプリート機能によりメールアドレスの入力を省力化できるので便利だ。

 メール作成時に1点、注意しておきたいことがある。Gmailで作成するメールはデフォルトで「リッチテキスト形式(HTMLメール)」になっているので、最初にこれを「テキスト形式」に切り替えておこう。本文の入力フォームにある[テキスト形式]をクリックすれば切り替えられる(1回切り替えれば、以降は設定が記憶される)。


宛先のメールアドレスはオートコンプリートで簡単に入力できる。本文を入力するときには[テキスト形式]をクリックして、テキストメールにしよう テキスト形式で本文を入力しているところ。編集画面の上に「下書きの自動保存日時」が表示されているが、書きかけのメールは自動保存され、回線トラブル等があっても復旧が可能になっている

連続したやりとりは「スレッド」で表示される

 返信がついて会話が連続しているメールを、Gmailでは「スレッド」として表示する。同じ件名(Subject)のまま「○○○」、「Re:○○○」のように続くメールが「スレッド」として認識され、スレッドの途中のメールを開こうとすると、スレッドがまとめて開かれる。

 スレッドの概念はGmail独特のもの、初心者が最も戸惑いやすい部分かと思う。メールというよりも、掲示板のレスのやりとりのようなイメージで考えると理解しやすいだろう。スレッドの各メールは送信者名をクリックすることで本文を表示・非表示に切り替えられ、話の流れを追いやすくなっている。


連続したやりとりのメールが、ここでは4通重なって「スレッド」として表示され、最新のメールだけ本文が読めるようになっている スレッド内の過去のメールは、発信者名をクリックすることで開閉できる。また本文下部の[引用テキストを表示]をクリックすれば、そのメールで引用されている過去のやりとりを参照できる

次回は「Gmail 応用編」

 今回はGmailの基本的な使い方、特徴的な機能の活用法について解説した。次回はGmailの応用編として、今回名前だけ紹介した「ラベル」や「フィルタ」の使い方、他のPOPメールアドレスをGmailで受信する(スパムフィルタとしてGmailを利用する)方法などについて、詳しく解説する。

(明日の第2回に続く)


関連情報

URL
  Google
  http://www.google.co.jp/
  Gmail
  http://mail.google.com/

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( 小林祐一郎 )
2008/05/07 16:23

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